
GC-EAC取引
アワリーマッチング(Hourly Matching)とは、電力消費と再エネ発電を1時間単位で一致させる手法です。従来の、年間の合計で相殺する方式とは異なり、24時間365日の需給整合を通じて真の脱炭素化を目指すアプローチです。現在、GHGプロトコル・スコープ2の改定でアワリーマッチングの手法が議論されています。
当社では国際組織アワリーマッチング推進協議会で築いたネットワークを通じて、最新の情報を取得し発信しています。当社では、再エネアワリーマッチング™証書の発行や、各社毎の課題に則して、1回毎定額料金のアドバイザリーサービスも提供しています。
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国際社会で実装されるHM
アワリーマッチング(Hourly Matching)は、GHGプロトコルスコープ2の改定議論の結果を待たずに国際社会で社会実装の動きが広がっています。こうした動きは、将来的に日本に波及することが予想されます。
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国連主導の24/7 CFE、アワリーマッチングの実務ガイドブックを改訂
国連が主導する24/7カーボンフリーエネルギー(24/7CFE)は、アワリーマッチングの実装を見据えた実務者向けガイドブックの2026年度版(Ver2.0)を発行しました。時間単位での電力一致やトラッキング、証書取引などの手法が具体的に示されています。

EU、PPA制度の改革を勧告:蓄電池とアワリーマッチングを軸に市場を再設計
欧州委員会は2026年4月、電力購入契約(PPA)の普及を阻害する要因を整理し、その解消に向けた勧告を公表しました。再生可能エネルギーの導入拡大と電力価格の安定を同時に実現するため、PPAを中核的な市場メカニズムとして再定義する動きです。今回の政策は、単なる制度改善ではなく、電力の価値を「量」から「時間」へと再定義する点に本質があります。特に、Guarantees of Origin(GO)の時間粒度化と、蓄電池を含む柔軟性との統合は、日本のPPA関係事業者にとっても無視できないインパクトを持ちます。

SBTi、大規模需要家に対し2030年からアワリーマッチングを義務化。2040年には90%以上を目指す
SBTiは2025年11月、次世代のネットゼロ基準(CNZS V2.0)案を公表し、再エネ調達の評価軸を「年間総量」から「時間単位の一致(アワリーマッチング)」へ転換する方針を明確にしました 。 新基準では、大規模需要家に対し2030年から段階的にアワリーマッチングを義務化し、2040年には90%以上の達成を目指します。

IEA、データセンターとアワリーマッチングに関する報告書「約80%が最適水準」
国際エネルギー機関(IEA)は近年の報告書において、電力システムの評価軸が「年間総量」から「時間単位の整合」へと移行していることを繰り返し示しています。特に、再生可能エネルギーの拡大とAI・データセンター需要の増加を背景に、アワリーマッチング(時間別一致)の必要性が分析の中核に据えられています。

EU、再エネ指令RED III改正を発表 GC-EACとアワリーマッチング導入へ道
欧州連合(EU)は、2023年10月に再生可能エネルギー指令の改正(RED III)を正式に発表しました。今回の改正は、再生可能エネルギー比率の引き上げに加え、電力の環境価値のトラッキング手法や市場設計そのものに影響を与える内容となっており、特に時間単位での需給整合(アワリーマッチング)への移行を後押しする枠組みとして注目されています。
国内でのPPA・実証
アワリーマッチング(Hourly Matching)を用いたPPAは、国内で多くの企業が実証・導入を進めています。
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東京メトロ・コスモエネルギーグループ、風力・営農型太陽光を組み合わせたフィジカルPPA導入とアワリーマッチング対応を発表
コスモエネルギーグループと東京地下鉄は、2026年3月31日、総合研修訓練センター向けに陸上風力と営農型太陽光を組み合わせたオフサイトフィジカルPPAを導入すると発表しました。電力供給は2026年4月に開始され、年間約719トンのCO₂削減効果が見込まれています。

Jパワー・みずほ銀行、24/7対応型コーポレートPPA実現に向けた時間単位のマッチング実証に成功
電源開発株式会社(Jパワー)、株式会社みずほ銀行、みずほ証券株式会社、みずほリース株式会社、および株式会社Scalarの5社は、2026年4月17日、企業の消費電力を24時間365日カーボンフリーエネルギーで補う「24/7CFE」の実現に向けた、時間単位の需給マッチング(Hourly Matching)実証に成功したと発表しました。

関西電力とBIPROGY、コーポレートPPAを用いたアワリーマッチング実証を開始。同社のこれまでのプレス発表まとめ
関西電力とBIPROGYは、2025年12月18日に、特定の再生可能エネルギー発電所から直接電力を調達するコーポレートPPAを活用し、1時間単位で需給を一致させる「アワリーマッチング」の実証試験を発表しました。過去の一連のプレス発表によれば、関西電力は、電力需給を1時間単位で一致させる「アワリーマッチング」の実現に向け、数年にわたり段階的な実証を積み重ねてきました。従来の年間総量での相殺を超え、24時間365日の脱炭素化(24/7 CFE)を目指す同社の取り組みを、時系列に沿ってご紹介します。

NTTグループとJERA Cross、国内初となるバイオマス活用のアワリーマッチング実証
NTTアノードエナジー、JERA Cross、およびNTTドコモの3社は、2026年2月12日に、ドコモの通信ビル3拠点(青森・秋田・仙台)を対象とした「24/7カーボンフリー電力」供給に向けたアワリーマッチングの実証実験を完了したことを発表しました。2024年12月から2025年9月にかけて実施された本実証は、バイオマス発電を用いた時間単位のマッチングとして国内初の事例となります。2025年6月におけるマッチングでは全時間帯で100%を達成しました。
海外でのPPA・実証
アワリーマッチング(Hourly Matching)を用いたPPAは、海外で多くの企業が実証・導入を進めています。
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GC-EAC取引
アワリーマッチング(Hourly Matching)を実現するために、タイムスタンプのついたGC-EAC取引市場の形成が見込まれています。世界でのGC-EAC取引の実証やプロジェクトをご紹介します。
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「夜再エネ」の価値を最大化するGC-EAC取引とは
「環境価値の時間シフト価値」を収益化するために、GC-EAC(時間粒度付き環境価値証書)がどのように発行・取引され、既存の非化石証書とどのような関係性を持つのかについては、また明確なルールが構築されていません。国際的な先行事例を基に、日本市場にもたらされる仕組みを先読みします。

Google、独自のGC-EACの取引実証をデンマークで実施(2024年)
Googleは時間単位で再エネ価値を証明するT-EAC(Time-based Energy Attribute Certificates)の実装を進めています。2024年には欧州で初めて、証書発行主体によるT-EACの発行および実取引が実現し、再エネ証書市場における大きな転換点となりました。これらの動きは、電力の調達・証明・評価のあり方を根本から変える可能性を示しています。

Google・Microsoftなど、GC-EAC取引活発化に向けたアライアンスを結成(2024年)
Google・Microsoftなどが、GC-EAC取引活発化に向けたアライアンスを結成しました。LevelTen Energyがその設立を発表しました。米国を中心としたエネルギー市場のプレイヤーが結集し、アワリーマッチングを実現する新たな証書市場の形成を目指す取り組みです。

Google出資のLevelTen Energy、GC-EACの先物取引モデルを構築、実証(2024年)
エネルギー市場の高度化が進む中、時間単位で再生可能エネルギーの環境価値を取引するGranular Certificate(GC)市場の構築が米国を中心に具体化しています。こうした動きの中核を担うのがLevelTen Energyであり、同社はGoogleが支援するクリーンエネルギー分野のプラットフォーム企業として、時間粒度の電力証書を取引可能とする市場設計を進めていて、2024年にはその取引実証の内容を公開しています。
HMで生まれる新技術
アワリーマッチング(Hourly Matching)の普及に併せて、革新的なソリューションや技術を提供する企業が増加しています。
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欧州電力業界、アワリーマッチング導入を促すCFE Hubを結成。Blok-Zも参画
欧州電力業界団体であるEurelectricは、次世代のカーボンフリー電力(CFE)の実現に向けた取り組みとしてCFE Hubの結成を発表しました。再生可能エネルギーの拡大に伴い、変動電源を補完するディスパッチャブル電源の重要性が高まる中、時間単位での需給一致(アワリーマッチング)を支える新技術の必要性が強調されています。
国内証書取引の新しい形
アワリーマッチング(Hourly Matching)の普及に併せて、革新的なソリューションや技術を提供する企業が増加しています。
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経済産業省委員会、非化石証書・アワリーマッチングについて議論を深める
GHG Protocol Scope2の改定案でアワリーマッチングの導入が示される中、日本においては、経済産業省が設置する委員会で、2025年後半から、GC-EACの要件にも通じるアワリーマッチングの導入の適否について活発な議論がなされてきました。
アワリーマッチングを巡る議論
アワリーマッチング(Hourly Matching)の普及に関しては、その賛否や、導入スピードを巡る議論が続いています。
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トランプ大統領、国連24/7C脱退で、「連邦政府ビル50%アワリーマッチング」も中断 米国連邦はアワリーマッチング後退か?
米ホワイトハウスは1月7日、大統領覚書を公表し、米国が複数の国際的な枠組みから脱退する方針を明らかにしました。その中には、24×7カーボンフリーエネルギー(24/7 CFE)コンパクトも含まれており、米国政府として同枠組みへの関与を終了する判断が示されました。関係者の間では、この決定によって、前バイデン政権下で打ち出された、連邦政府の再エネアワリーマッチング(50%)の電力調達方針が大きく転換するものと受け止められています。

EnergyTag、アワリーマッチングに異議を唱えるMetaに反論、焦点はデータセンター
GHGプロトコルScope2改定において、アワリーマッチング導入の議論を主導する団体の1つが英国に本拠を置く非営利国際組織のEnergy Tagで、当社も会員として加入してます。先日は、アワリーマッチングのアジアへの導入について、意見を交わしたところです。アワリーマッチングの導入に関してはこの界隈では、各主体に大きな相違はないのですが、その導入スピードでは大きく意見が分かれています。特にMetaはその性急な導入に反対しています。Energy Tagが1月12日に会員向けに発信したニュースレターの中で、同組織のキャンペーンマネージャーであるカール・ケッサー氏の署名記事を紹介していました。

【当社論説】データセンター増加と電気料金高騰――アメリカの事例から考える「アワリーマッチング」の重要
近年、生成AIやクラウドサービスの急速な普及を背景に、世界各地でデータセンター(DC)の建設が加速しています。
データセンターはデジタル社会を支える不可欠なインフラである一方、その莫大な電力需要が地域の電力需給や電気料金に与える影響について、無視できない段階に入ってきました。本稿では、アメリカの事例を紹介しつつ、データセンターと電気料金高騰の関係についての仮説、そしてその解決策としての「地域・時間のアワリーマッチング」の重要性について考察します。
【読み物】アワリーマッチングの現在地
アワリーマッチング(Hourly Matching)の普及に関しては、その賛否や、導入スピードを巡る議論が続いています。
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【激動する世界(第1回)】 再エネオフセットを認めたCOPと、その背後で動く大国の思惑
2023年のCOP28。開催地はドバイでした。この年のCOPは、産油国開催という分かりやすい話題だけでなく、気候変動コミュニティの内側に、静かですが確かな違和感を残しました。その象徴的な出来事が、Energy Transition Accelerator(ETA) の発足です。
これはCOP28の場で、米国政府、ロックフェラー財団、Bezos Earth Fundなどが中心となって発表された新しい枠組みで、公式にはロックフェラー財団の発表として確認できます。この一文だけを見ると、何がそんなに問題なのか分からないかもしれません。しかし、ここ数年の気候政策の流れを知っている人ほど、この発表に少なからず驚きを覚えました。

【激動する世界(第2回)】アメリカはなぜ「オフセット」と「デジタル」を手放さなかったのか
気候変動を巡る国際議論を見ていると、ときどき不思議な感覚に陥ります。つい数年前まで「正しい」とされていた考え方が、いつの間にか少し色あせて見えたり、逆に「もう終わった」と思われていた手法が、別の形で戻ってきたりするからです。
2023年のCOP28で発足したEnergy Transition Accelerator(ETA)や、その延長線上にあるオフセット活用の再評価も、そうした「揺り戻し」の一つとして見ることができます。

【激動する世界(第3回)】AmazonとGoogle、アワリーマッチングへの反応がなぜ異なるのか?
企業の脱炭素の取り組みを見ていると、「同じ再生可能エネルギー」「同じScope 2」という言葉が使われていても、その意味合いや背景は企業ごとに大きく異なっていることに気づきます。その違いを考えるうえで、一つの重要な視点になるのが、「その企業の本質は何か」という点ではないでしょうか。
たとえば、GoogleやMicrosoftのような企業は、ビジネスの中核がデータであり、そのために大量のデータセンターを運営しています。一方で、Amazonやマクドナルドといった企業の本質は、いわゆる実業にあります。つまり、実際にモノをつくり、運び、店舗で販売し、世界中にリアルなサプライチェーンを張り巡らせている企業です。この違いは、脱炭素の進め方や、その難易度に大きな影響を与えているように思われます。




















