欧州電力業界、アワリーマッチング導入を促すCFE Hubを結成。Blok-Zも参画
欧州電力業界、アワリーマッチング導入を促すCFE Hubを結成。Blok-Zも参画
欧州電力業界団体であるEurelectricは、次世代のカーボンフリー電力(CFE)の実現に向けた取り組みとしてCFE Hubの結成を発表しました。再生可能エネルギーの拡大に伴い、変動電源を補完するディスパッチャブル電源の重要性が高まる中、時間単位での需給一致(アワリーマッチング)を支える新技術の必要性が強調されています。

欧州では化石燃料からの脱却が進む一方で、電力の安定供給と価格の抑制を両立するため、蓄電池や柔軟性電源と並び、時間粒度で電力価値を把握する仕組みの整備が求められています。こうした背景から、企業の電力需要と再エネ発電を1時間単位で一致させる「24/7 CFE」の実装が重要なテーマとなっています。
ブロックチェーン型SaaSの登場:Blok-Zの特徴
このHUBに積極的に参加するのがBlok-Zです。同社によるブロックチェーンベースのアワリーマッチングSaaSです。同社は、既存のEAC(環境価値証書)制度では困難であったリアルタイムに近い需給一致の証明を可能にするため、電力小売事業者向けのホワイトラベル型ソリューションを開発しています。

このシステムは、Energy Web Chain上に取引データを記録することで改ざん耐性を確保し、発電・消費のトレーサビリティを担保します。これによりダブルカウントの防止やグリーンウォッシュの回避が可能となり、企業のサステナビリティ報告における信頼性向上に寄与するとしています。
また、同社の「Greenlink」プラットフォームは、再エネ発電量と需要家の消費量を時間単位で照合し、電源種別や発電地点との距離といった情報も含めて可視化します。これにより、単なる証書購入にとどまらない実態ベースの脱炭素評価が可能となります。
実証事例と技術の有効性
Blok-Zの技術は、欧州の大手電力会社EnerjiSAに導入されており、2020年のPoCを経て本格運用に至っています。約180の需要地点に対し、累計31万MWh以上の電力をトークン化し、90%を超えるマッチング率を達成したとされています。
この結果は、時間単位での再エネマッチングが実務的に成立し得ることを示すものであり、従来の年次ベースの証書制度からの転換を後押しする材料となっています。
次世代電力市場への示唆
今回のEurelectricの発信は、電力市場が「量」から「時間」へと評価軸を移行しつつあることを示しています。ブロックチェーンやSaaSといったデジタル技術の進展により、アワリーマッチングを支える基盤が急速に整備されつつあります。
今後は、こうした技術を前提とした証書制度やPPA契約の再設計が進み、より精緻で透明性の高い電力取引市場が形成されると見られています。欧州を中心に進むこの動きは、日本を含む他地域にも波及する可能性があります。
ニュース記事一覧へ>>
