UN 24/7 CFEがまとめた、アワリーマッチング実現に向けた世界各国の政策・規制フレームワークの構築状況

· 脱炭素

24/7 Carbon-Free Energy Compact Guidebook(ガイドブック)においては、2021年のコンパクト発足以降、各国政府や地域機関が24/7 CFEの原則に整合した目標設定や規制の導入を進めていることが示されています。その内容を整理してみます。

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■ 各国における制度導入の動き

米国では、カリフォルニア州において電源構成の時間単位での開示を義務付ける法案が成立しており、2028年までに実施される予定とされています。また、コロラド州ではクリーン水素製造における電力消費について時間一致の要件が導入されています。

欧州においては、水素関連規制を中心に時間一致の考え方が制度化されつつあります。例えば、EUの再生可能水素基準では、電力消費に対して時間一致のPPAを求める方向性が示されており、2030年からの適用が予定されています。また、炭素国境調整措置(CBAM)に関連する議論の中でも、電力の供給可能性や時間一致を示すことが求められるケースが出てきています。英国においても、水素規制の中で追加性や時間的整合性に関する要件が導入されつつあり、アイルランドでは大口需要家に対して時間および地域の一致を促す政策が検討されています。

インドでは、SECI(Solar Energy Corporation of India)が24時間対応型および需給追従型の再エネ入札を実施しており、需要曲線に応じた電源供給を求める仕組みが導入されています。これにより、結果として時間一致に近い電源構成が形成される動きが見られます。

■ 技術・市場面での検証の進展

ガイドブックで紹介されている、こうした制度的な動きに加えて、技術的および市場的な観点からのフィージビリティスタディも各国で進められています。例えば英国では、系統運用機関であるNational Energy System Operatorが、Granular Energyと連携し、GC-EACに関する詳細なFSを行っています。この検討では、時間単位での電力マッチングが電力システムや市場に与える影響について分析されており、その成果はレポートとして公表されています。

このように、各国政府は規制の整備と並行して、実務的な実現可能性を検証する取り組みを進めており、制度と市場の双方から24/7 CFEの実装に向けた検討が進展しています。

■ 日本における議論の状況

日本においても、近年、時間一致に関する考え方についての議論が進められています。特に、証書制度や電力取引の高度化との関係の中で、経済産業省の委員会等において検討が行われており、制度的な位置づけや導入のあり方について議論が蓄積されつつあります。

これらの議論は、国際的な制度動向や市場設計の変化を踏まえたものであり、各国の取り組みを参照しながら、日本に適した制度設計を検討していく必要性が示されています。現時点では、こうした動向を踏まえつつ、今後の政策立案に向けた検討が進められている段階と位置づけることができます。

■ 今後の示唆

このように、24/7 CFEの考え方は、各国において規制・市場・技術の三つの側面から具体化が進められています。制度導入のスピードや手法には違いがあるものの、時間一致や供給可能性といった概念が共通の基盤として取り入れられつつあります。

今後は、こうした国際的な動向を踏まえながら、各国の電力システムの特性に応じた形で制度と市場の設計を進めていくことが求められると考えられます。

■国連 24/7 CFEガイドブックの詳しい解説

(解説者:㈱電力シェアリング&アワリーマッチング推進協議会)