中部電力ミライズ、福山バイオマス発電所を活用したバーチャルPPAを開始 年間3.8億kWh相当の環境価値を長期供給

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中部電力ミライズ株式会社は、2025年7月30日、福山バイオマス発電所を活用したオフサイト型バーチャルPPAサービスの提供開始を発表しました

本取り組みは、中部電力グループが出資する福山バイオマス発電所合同会社が広島県福山市で運営する福山バイオマス発電所から創出される環境価値を、中部電力ミライズが長期的に調達し、複数の需要家へ提供するものです。愛知製鋼、ソミック石川、大和製罐、DMG森精機、東海理化電機製作所、東レ、浜松ホトニクス、富士電機、富士電機パワーセミコンダクタを含む企業が参加しています。

福山バイオマス発電所由来の環境価値を長期供給

対象となる福山バイオマス発電所は広島県福山市箕沖町の中国製鋼敷地内に立地し、発電出力は52,700kWです。燃料には木質ペレットおよび中国地方産の未利用間伐材などを活用した木質チップを使用します。

2023年1月に着工し、2025年7月30日に営業運転を開始しました。想定年間発電量は約3.8億kWhに達し、この発電に伴って創出される再生可能エネルギー由来の非化石証書を中部電力ミライズが調達します。

発電所の事業主体である福山バイオマス発電所合同会社には、中部電力のほか、稲畑産業、太平電業、東京産業、カナデビア、愛知海運、丸加ホールディングス、メック広島、藤井商事、Solariant Capitalが出資しています。

フィジカルPPAとは異なるバーチャルPPAモデル

今回採用されたのは、電力そのものではなく環境価値のみを取引するオフサイト型バーチャルPPAです。

一般的なフィジカルPPAでは、再エネ発電所から供給される電力と環境価値をセットで需要家へ提供するため、需要家の電力需要パターンと発電量を考慮した設計が必要となります。

一方、バーチャルPPAでは発電された電力と環境価値を切り離し、環境価値のみを需要家へ提供します。このため需要家は、生産ラインの稼働状況や昼夜、季節変動などに左右されることなく、再エネ由来の環境価値を柔軟に確保できます。

工場などでは休日や夜間に電力需要が大きく低下するケースがありますが、環境価値のみを調達する仕組みによって、実際の消費パターンに制約されず脱炭素化を進めることが可能になります。

年間約16万トンのCO₂削減を見込む

中部電力ミライズは、今回供給する環境価値の総量を年間約3.8億kWh相当としています。

同社が公表した2023年度の調整後排出係数を基に試算すると、参加企業全体で年間約16万トンのCO₂排出削減効果が見込まれます。

また、バイオマス発電は太陽光や風力と異なり天候の影響を受けにくく、比較的安定した出力を確保できる特徴があります。そのため長期にわたり安定的な環境価値供給が可能となり、需要家側の脱炭素計画の予見性向上にもつながるとみられます。

さらに、需要家が長期間にわたり環境価値を利用することで、発電事業者側にとっても安定的な事業運営が期待されます。再エネ電源の新規開発を需要家の長期需要で支える仕組みとして、国内におけるバーチャルPPA市場の拡大を後押しする事例となりそうです。

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