原子力・LNG・備蓄強化を巡り議論 基本政策分科会、中東情勢下のエネルギー安全保障を検証

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資源エネルギー庁は、2026年6月2日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会を開催し、中東情勢の緊迫化を踏まえたエネルギー安全保障対策について議論しました。

会合では、原油・LNGの安定調達、電力の安定供給、エネルギー自給率向上、省エネルギー推進などを総合的に検討しました。エネルギー安全保障の観点から原子力発電の活用や再稼働、新増設に向けた取り組みについて議論が交わされました。

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中東情勢を踏まえた資源・燃料確保

事務局が示した資料では、日本の原油輸入の94%が中東依存であり、そのうち93%がホルムズ海峡経由であることが示されました。一方で、LNGの中東依存度は10.8%、石炭は0%と調達先の分散が進んでいます。

政府は原油代替調達を拡大しており、6月時点では代替調達率が約8割に達する見通しです。国家備蓄や民間備蓄の活用と合わせ、2027年春頃まで安定供給を維持できるとの試算も示されました。

また、石油製品の供給不足ではなく流通段階での「目詰まり」が課題となっていることから、重要施設への元売り直販や、前年同月並みの販売維持を求める対策も実施されています。

電力安定供給と原子力活用への期待

電力需給では、LNG在庫が約400万トンとホルムズ海峡経由輸入量の年間約400万トンと同規模であることが報告されました。現時点で電力供給への直接的な影響は生じていないと整理されています。

さらに政府は、発電効率の低い石炭火力について2026年度は設備利用率50%以下の制限措置を適用せず、稼働率を高める方針を示しました。これにより年間約50万トンのLNG削減効果を見込んでいます。

加えて、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機が定格出力で稼働した場合、年間約110万トンのLNG削減が可能と試算されており、石炭火力との合計で年間約160万トン、ホルムズ海峡経由輸入量の約4割に相当するLNG節約効果が期待されています。

GXとエネルギー安全保障の両立

分科会資料では、第7次エネルギー基本計画に基づき、「S+3E(安全性、安定供給、経済効率性、環境適合)」を維持しながらエネルギー需給構造の強靱化を進める必要性を強調しました。AIやデータセンターの普及による電力需要増加を背景に、「エネルギー・トランジション」だけでなく「エネルギー・アディション(供給力拡張)」も重要課題と位置付けています。

今後は、資源外交やJOGMECによる上流権益確保、LNGや原油の調達先多角化に加え、水素、バイオ燃料、地熱、CCSなど非化石エネルギーの導入拡大も進める方針です。また、アジア各国と連携する「POWERR Asia」構想を通じ、地域全体のエネルギー供給力強化を図る考えも示されました。

会合では、足元の中東リスクへの対応に加え、中長期的なエネルギー安全保障強化の観点から、原子力、再生可能エネルギー、化石燃料の安定調達を組み合わせた現実的なエネルギーミックスの構築が重要との認識が共有されています。

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