JALとANA、SAF共同レポート第2版を公表 2050年航空脱炭素へ「日本型モデル」構築を提言

· サステナビリティ,Scope2,脱炭素,資源

日本航空株式会社(JAL)と全日本空輸株式会社(ANA)は、2026年5月27日、2050年の航空輸送におけるCO2排出実質ゼロの実現に向けた共同レポート第2版を発表しました。両社は持続可能な航空燃料(SAF)の普及に向けた現状認識や課題を整理するとともに、日本に適した導入の方向性を示しています。

Section image

SAF供給不足と高コストが最大の課題

レポートでは、航空業界の脱炭素化においてSAFが中心的な役割を担う一方、2025年時点の世界のSAF供給量は航空燃料全体のわずか0.6%にとどまると指摘しています。

また、SAFの製造コストは従来のジェット燃料を大きく上回る水準にあり、世界的な原料獲得競争も激化しています。今後5年間に十分な増産投資や政策支援が行われなければ、2050年目標の達成は困難になる可能性があるとしています。

両社は、欧州などで進む導入義務化の動向を踏まえつつも、供給能力とのバランスを考慮した実効性の高い制度設計が必要との考えを示しました。

航空インフラ維持と経済成長を両立

レポートでは、日本の航空輸送が年間約17兆円規模の経済波及効果を生み出していることにも言及しています。政府が掲げる訪日客6,000万人目標の達成や、離島・地方路線を含む航空ネットワークの維持には、安定した燃料供給基盤の確立が不可欠と位置付けています。

また、企業のサプライチェーン排出量であるScope3削減に対応するため、JALの「JAL Corporate SAF Program」やANAの「SAF Flight Initiative」といった仕組みを通じて、利用企業がSAF導入を支援できる枠組みも紹介されました。

航空会社単独での対応には限界があり、政府、燃料メーカー、利用企業、旅行者を含む幅広い主体による費用負担と協力体制の構築が求められそうです。

日本型SAF市場形成へ

今回の共同レポートは、2021年に両社が公表した初版から約5年が経過した中で策定されたものです。これまでの啓発段階から、実際の量産・調達・費用負担の議論へと焦点が移りつつあることを示しています。

今後は国産SAFの供給拡大や長期的な需要創出策、さらには企業の脱炭素投資との連携などが重要な論点となる見通しです。航空分野の脱炭素化は、エネルギー政策や産業政策とも密接に関わるテーマとなりつつあり、日本独自のSAF市場形成が進むか注目されます。

一般社団法人アワリーマッチング推進協議会の運営する電力・脱炭素無料ニュースサイト

Section image