ENEOSリニューアブル・エナジーの肥薩風力、68.8MW発電計画に環境省、環境保全措置を要請

· 風力発電事業

環境省は、2023年12月15日、「(仮称)肥薩風力発電事業環境影響評価準備書」に対する環境大臣意見を経済産業大臣へ提出したと発表しました

本事業は、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社が熊本県人吉市、球磨村および鹿児島県伊佐市において計画する陸上風力発電事業です。対象事業実施区域は約911.6haで、最大出力4,300kW級の風力発電機を16基設置し、総出力68,800kWを計画しています。

騒音や水環境への影響低減を要請

環境大臣意見では、対象事業実施区域周辺に住居が存在し、建設工事中の騒音が環境基準を超過する可能性があるとの予測結果を踏まえ、工事工程の調整や防音シートの設置などを通じて生活環境への影響を最小化するよう求めました。

また、事業区域の大部分が水源かん養保安林に指定されており、周辺には集落水道の水源も存在しています。さらに国内希少種であるベッコウサンショウウオの生息も確認されていることから、沈砂池の設置や工事中の濁水監視などの環境保全措置を講じるよう要請しています。

クマタカへの影響評価を重視

対象区域周辺では国内希少種であるクマタカの複数ペアによる営巣が確認されています。このため環境省は、営巣中心域や高利用域、採食地など行動圏の内部構造を詳細に解析した上で、風車との衝突や移動経路阻害の影響を評価するよう求めました。

その結果を踏まえ、専門家の助言を受けながら追加的な環境保全措置を検討することも要請しています。

九州南部の大規模風力開発案件

本事業は2020年の配慮書手続き開始以降、環境影響評価を進めてきました。準備書段階では75件の住民意見が提出されており、地域の関心も高い案件となっています。

今後は環境大臣意見や関係自治体意見を踏まえた経済産業大臣勧告を経て、環境影響評価書の作成手続きへ進む見込みです。九州南部における大規模陸上風力開発として、再生可能エネルギー導入拡大と自然環境保全の両立が引き続き求められます。

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