Eku Energy系日本蓄電、宮崎県で30MW・120MWh蓄電所を開発 東京ガスとの20年契約とMUFG融資で事業化

· 大規模系統用蓄電池事業

Eku Energy系日本蓄電は、2024年4月24日、宮崎県宮崎市において同社初となる日本国内の系統用蓄電池事業「広原蓄電所」の開発を発表しました

広原蓄電所は宮崎県宮崎市大字広原に建設される系統用蓄電池で、定格出力30MW、蓄電容量120MWhの4時間蓄電システムです。2026年7月の運転開始を予定しており、日本における大型系統用蓄電池の事業モデルとして注目を集めています。Eku Energyは蓄電所の所有者としてプロジェクトを保有し、建設後も設備保守・維持管理を担う計画です。 (Eku Energy)

長期契約を前提とした収益構造

本案件の特徴は、東京ガスとの長期契約を前提として事業スキームが構築されている点にあります。

Eku Energyは東京ガスと20年間のオフテイク契約を締結しており、東京ガスは蓄電所の運用権を20年間取得します。一方で設備そのものの所有権はEku Energyが保有し続ける構造です。東京ガスは蓄電池を活用して電力市場や需給運用を行い、Eku Energyは長期契約に基づく収益を確保します。 (Eku Energy)

東京ガスは2024年4月、自社の系統用蓄電池事業への本格参入を発表しており、その一環として広原蓄電所の20年間運用権を取得したことを明らかにしました。これにより東京ガスが確保する系統用蓄電池出力は合計5.5万kWとなります。 (Tokyo Gas)

MUFGがプロジェクトファイナンスを組成

資金面では、三菱UFJ銀行(MUFG Bank)がプロジェクトファイナンスをアレンジしました。

Eku Energyは2024年8月にファイナンシャルクローズを完了したと発表しており、MUFGによる融資が実行されています。Eku Energyは、この案件がMUFGにとって国内系統用蓄電池単独案件として初めて組成したプロジェクトファイナンスであると説明しています。 (Eku Energy)

一般的な系統用蓄電池事業では、卸電力市場や需給調整市場、容量市場などの収益変動リスクが大きく、長期融資を組成することは容易ではありません。広原蓄電所では、20年間の長期契約による将来キャッシュフローの見通しを確保することで、インフラファイナンスとして成立する事業構造を構築したものとみられます。 (Eku Energy)

日本の蓄電池市場における先行事例

広原蓄電所は、2024年9月24日に地鎮祭が実施され、建設段階へ移行しました。現地には宮崎市、東京ガス、MUFGなどの関係者が参加し、2026年7月の商業運転開始に向けて工事が進められています。 (Energy-Storage.News)

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、九州エリアでは出力変動への対応や調整力の確保が重要課題となっています。広原蓄電所は30MW・120MWhという規模を有し、系統安定化や再エネ導入拡大を支えるインフラとして位置付けられています。Eku Energyの公表資料によれば、満充電時には約6万3,000世帯に対し4時間分の電力供給に相当する容量を持つとされています。 (Eku Energy)

本案件は、長期運用契約を締結する需要家側プレーヤー、蓄電所を保有・保守する開発事業者、そして将来キャッシュフローを裏付けに融資を行う金融機関が役割を分担する構造を採用しています。国内系統用蓄電池市場において、事業開発と資金調達の両面で先行事例の一つとして位置付けられそうです。 (Eku Energy)

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