外資系が蓄電池市場で大きく躍進。長期脱炭素電源オークション

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2025年度(第3回)入札における主な落札企業とその特徴

今回の第3回長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)において、各社から積極的な落札の発表が相次いでいます。

今回の入札で特筆すべきは、外資系企業の圧倒的な存在感です。

世界70か国以上でインフラ事業を展開するI Squared Capitalグループの日本法人であるヘキサ・エネルギーサービス合同会社は、中国エリアと東北エリアでリチウムイオン以外の蓄電池2案件(合計約9万キロワット)を落札しました。同社の蓄電池ポートフォリオは採択プロジェクトを含め定格容量約3GWhに上ります。

また、グローバルに再エネ事業を展開するBison Energy Groupは、総初期設備容量2GWhとなる6時間の長時間蓄電池システム2件を落札しました。

さらに、台湾の国際スマートエネルギー企業である泓徳能源(HDRE)は、鹿児島県および宮城県でリチウムイオン蓄電池約16万キロワットを落札しました。

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これは同区分の総落札容量の約3割を占める規模であり、同社の日本における累計落札容量は約560MWに拡大しています。HDREは2029年までに日本で3.4GWの開発目標を掲げ、東京ガスなど国内大手企業との事業協業も進めています。

国内勢では、しろくま電力株式会社が5件を落札しました。同社は土地探しから開発、市場運用まで一気通貫で行う強みを活かし、3年連続での落札を果たしています。2030年度時点での開発総容量累計11.4GWhを目指しており、2025年秋には第一号案件が運転を開始する予定です。

外資系企業の躍進が示す日本の蓄電池市場の現在地

このように、今回のオークションでは豊富な資金力とグローバルな開発・運用ノウハウを持つ外資系企業が躍進しました

ヘキサ・エネルギーサービスやBison Energy、泓徳能源といった海外資本の各社は、数百MWからGWhクラスの巨大なポートフォリオを構築し、日本の蓄電池インフラ整備を牽引しています。

(参考)長期脱炭素電源オークションの概要とこれまでの実績

長期脱炭素電源オークションは脱炭素電源への新規投資を促進するための入札制度です。落札電源には原則20年間にわたり固定費水準の容量収入が保証され巨額の初期投資回収に対する長期的な予見可能性が付与されます。

2023年度から開始されこれまでに3回の入札が実施されました。蓄電池の参加状況は非常に活発であり第1回および第2回入札では常に応札容量が落札容量を大幅に上回る水準となり合計で246.2万キロワットが落札されています。

なお個別の落札価格は経営情報保護の観点から非公表とされています。

第3回入札の状況とサプライチェーンに関する課題

2025年度に応札が行われた第3回入札においても蓄電池は引き続き高い関心を集めました。

リチウムイオン蓄電池などの区分では152.5万キロワットの応札に対して55.1万キロワットが落札されリチウムイオン以外の蓄電池などの区分では120.6万キロワットの応札に対して70.0万キロワットが落札されました。

委員会での認識として蓄電池の導入拡大は歓迎される一方で海外の特定国メーカーへの依存度が高くサプライチェーンの途絶リスクが課題として指摘されています。第3回入札では製造国の分散化を図るため一国あたりの落札容量に上限を設ける措置が講じられましたが依然として特定国のセルを採用する蓄電池が大宗を占める見通しとなっています。

第4回入札以降の方向性と経済安全保障への対応

こうした課題に対応するため2026年度に予定されている第4回入札に向けて新たな方向性が議論されています。具体的には経済安全保障推進法に基づき特定重要物資に指定されている蓄電池について供給確保計画の認定を受けているメーカーが製造するセルを使用する案件を優先的に約定させる仕組みの導入が提案されています。

また制度適用期間についても資本コストの増大を防ぐ観点から原則として上限を40年と設定する方針が示されました。

委員からは過度な制約とならないよう実態に応じた柔軟な調整を求める意見も出されており事業規律の確保と国内サプライチェーンの強靱化を両立させる詳細な制度設計が進められています。

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