JinkoSolar、中国でFirst SolarのTOPCon特許無効化に成功 太陽電池特許戦争が激化

· 太陽光発電

中国国家知識産権局(CNIPA)は2026年5月、米First Solar傘下TetraSunが保有するTOPCon関連特許を全面的に無効とする判断を発表しました。対象となったのは「高効率太陽電池構造および製造方法」に関する中国特許「201080027881.6」で、JinkoSolar側による無効審判請求が認められた形です。

Section image

今回の決定では、特許法上の「新規性」および「進歩性」を満たしていないと判断され、17件の請求項すべてが無効とされました。同特許は、米国特許「US9130074」に対応する国際特許群の一部と位置付けられており、First Solarが進めるTOPCon関連訴訟の中核技術の一つとされていました。

TOPCon技術を巡る国際訴訟が拡大

TOPCon(Tunnel Oxide Passivated Contact)は、N型太陽電池の高効率化を実現する次世代セル技術として急速に普及しています。PERC型を上回る変換効率を持つことから、中国系メーカーを中心に量産導入が進み、現在の結晶シリコン太陽電池市場の主流技術になりつつあります。

First Solarは2024年、2013年に買収したTetraSun由来のTOPCon関連特許を保有しているとして、JinkoSolar、LONGi、Trina Solar、JA Solar、Canadian Solarなど複数社に対する調査や法的措置を開始。2025年には米デラウェア州連邦地裁でJinkoSolarに対する特許侵害訴訟も提起していました。

一方、米国では2026年1月、米特許商標庁(USPTO)がJinkoSolarやCanadian Solarによる無効審判請求を退けており、中国と米国で判断が分かれる構図となっています。

次世代太陽電池の主導権争いに発展

太陽光業界では近年、TOPConやHJT、BCセルなど高効率技術を巡る知財競争が急速に激化しています。特にTOPConは量産シェア拡大が著しく、製造工程やパッシベーション技術を巡る特許網が各社の競争力に直結する状況です。

今回の中国判断によって、中国市場ではFirst Solar側の権利行使が一定程度制約される可能性がある一方、米国では依然として訴訟が継続しており、地域ごとに異なる知財戦略が求められそうです。今後は、米中双方での司法・特許当局の判断が、グローバル太陽電池サプライチェーンやモジュール価格競争にも影響を与える可能性があります。

一般社団法人アワリーマッチング推進協議会の運営する電力・脱炭素無料ニュースサイト

Section image