欧州4カ国で302MW級蓄電池事業を拡大 EBRDが7000万ユーロ融資
欧州4カ国で302MW級蓄電池事業を拡大 EBRDが7000万ユーロ融資
欧州復興開発銀行(EBRD)は、2026年5月、スロベニアの蓄電池開発企業NGEN Energetske Rešitve向けに最大7000万ユーロの融資を行うことを発表しました。本融資は、スロベニア、ポーランド、ルーマニア、ラトビアの4カ国で進められる大規模BESS(Battery Energy Storage System)開発を対象としており、欧州域内での系統安定化と再生可能エネルギー導入拡大を後押しする狙いがあります。

302MW・635MWh規模の蓄電池群を構築
今回のプロジェクトでは、総設備容量302MW、蓄電容量635MWh規模の蓄電池システムが整備される計画です。国別では、ラトビアで100MW/215MWh、スロベニアで70MW/140MWhなどの案件が含まれており、複数市場を横断するポートフォリオ型の蓄電池投資として位置付けられています。
事業総額は約1億6300万ユーロとされ、蓄電池設備にはTesla製システムが採用される見込みです。各案件は卸電力市場や需給調整市場を活用する「merchant型」で運用され、周波数調整、ピークシフト、電力価格差取引など複数の収益源を組み合わせる構造となっています。
また、融資にはEUのInvestEUプログラムによるfirst-loss guaranteeが適用され、一部リスクを公的側が吸収する仕組みも導入されました。
再エネ大量導入を支える調整力として期待
欧州では風力・太陽光発電の導入拡大に伴い、出力変動への対応力が電力システム全体の課題となっています。特に中東欧地域では、石炭火力依存からの転換と同時に、送電網の柔軟性向上が求められていました。
今回のような複数国展開型BESSは、系統増強だけに依存せず、短周期での需給調整能力を市場ベースで確保するモデルとして注目されています。今後は欧州各国で、再エネと蓄電池を一体化した投資案件がさらに増加する可能性がありそうです。
加えて、AIデータセンターや電化需要増加によるピーク負荷上昇への対応策としても、大規模蓄電池の役割拡大が見込まれています。
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