コスモエネルギーHD、電力サプライチェーン拡大を掲げた「Vision 2035」を策定 LNG火力・蓄電池を含む電源構成再構築へ
コスモエネルギーHD、電力サプライチェーン拡大を掲げた「Vision 2035」を策定 LNG火力・蓄電池を含む電源構成再構築へ
コスモエネルギーホールディングス株式会社は、2026年6月18日、「Vision 2035」および2026~2028年度を対象とする第8次連結中期経営計画を策定したと発表しました。
同社は、2023年に公表した「Vision 2030」の方向性を引き継ぎながら、AI・データセンター需要の拡大やエネルギー安全保障の重要性の高まりを踏まえ、長期ビジョンを「Vision 2035」へ更新しました。2035年度の経営目標として、在庫影響除き経常利益2,500億円、当期純利益1,250億円、ROE15%以上、ROIC8%以上を掲げています。
電力サプライチェーン拡大へ方針転換
今回の計画で特に注目されるのが電力事業戦略です。同社はこれまで推進してきた「グリーン電力サプライチェーン」を発展させ、「電力サプライチェーン」の構築を新たな柱に位置付けました。

資料では、電力需要の増加、再生可能エネルギー開発や原子力発電所再稼働の遅れ、エネルギー自給率向上への取り組み加速などを背景に、将来的な電力安定供給への懸念が高まる可能性を示しています。そのため、経済性と調整力を備えた電源ポートフォリオの構築が必要になるとしています。
電源開発では、従来の陸上風力、洋上風力、太陽光に加え、新たにLNG火力の活用を検討対象に加えました。安定的な電力供給に向けて、再エネと火力を組み合わせた電源構成への転換を進める考えです。
蓄電池と電力販売を含む収益モデルを拡大
電力サプライチェーン戦略では、発電事業に加えて蓄電池システム運用や電力販売まで事業領域を広げる方針を示しました。
同社は電源構成最適化のポイントとして、陸海コンビナートに立地する製油所アセットの活用を挙げています。再利用可能な石油設備や遊休地を電力事業に活用することで投資効率向上を図る考えです。また、シナジーを生むパートナーとの協業や、グリーン電源に限定しない経済性と脱炭素性の両立を目指すとしています。
さらに、安定供給に向けた調整能力の強化を掲げており、蓄電池を活用した需給調整や市場取引への展開も視野に入れているようです。AIやデータセンター向け需要の増加が見込まれる中、再エネ中心の戦略から、火力・蓄電池・販売まで含めた総合的な電力供給体制へと事業モデルを進化させる動きとして注目されます。
2028年度に経常利益1,900億円を目指す
第8次中期経営計画では、2028年度に在庫影響除き経常利益1,900億円、当期純利益860億円、ROE12%以上、ROIC7%以上を目標に設定しました。
成長投資は3年間累計で2,900億円を計画し、このうち300億円を戦略投資枠として確保しています。電力需要の増加が見込まれるAI、半導体、データセンター関連市場を「NeXTグロース」と位置付け、今後の成長分野として重点的に取り組む方針です。
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