フォード、定置用蓄電池新会社「Ford Energy」設立 年間20GWh体制でAI・データセンター需要狙う

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米フォード・モーターは、2026年5月、定置用蓄電池事業を担う新会社「Ford Energy」を設立したと発表しました

同社は、急拡大するAIデータセンターや電力インフラ向け需要を背景に、系統用蓄電池や商用エネルギー貯蔵分野へ本格参入する方針です。年間20GWh規模の蓄電池システム供給能力を構築し、2027年後半から製品出荷を開始する計画を示しました。

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Ford Energyでは、フォードがEV向けに整備してきたLFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池や電力制御技術を活用し、データセンター、公益電力会社、大規模商業施設向けに定置型蓄電池システム(BESS)を展開する。米ケンタッキー州で進めていたEV関連設備の一部も転用される見込みです。

EDFと5年間・20GWh規模の供給契約

フォードは今回、フランス電力大手EDFグループ傘下企業との間で、5年間にわたる蓄電池供給契約も締結しました。

報道によれば、契約規模は累計20GWhに達し、AI向けデータセンターや系統安定化用途への利用が想定されている。再エネ比率上昇に伴う系統調整力需要の増加や、データセンターのバックアップ・ピークシフト用途が市場拡大を支えているようです。

近年はTeslaの「Megapack」が世界市場を拡大しているほか、CATL、BYD、Fluenceなども大型蓄電池市場へ投資を加速しており、自動車メーカーによる定置用市場参入が新たな競争軸になりつつあります。

EV減速を背景にエネルギー事業へ軸足

フォードはこれまでEV戦略の一環として、CATLライセンス技術を活用したLFP電池工場や、韓国SK Onとの「BlueOval SK」事業を推進してきました。

一方、北米ではEV需要の伸び鈍化や価格競争激化が進んでおり、自動車メーカー各社が電池事業の用途拡大を模索している。今回のFord Energy設立も、EV用電池製造基盤をエネルギーインフラ市場へ展開する動きの一環とみられます。

AIデータセンターの急増によって、世界的に電力需要や系統安定化ニーズが高まる中、自動車向け電池産業と電力インフラ産業の融合がさらに進む可能性もありそうです。

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