【現地報告】タイEGAT、200万kWの DR目標。EVを含めたVPP戦略を策定

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アワリーマッチング推進協議会は、2026年6月8日から11日にかけてフィリピン・マニラのアジア開発銀行(ADB)本部で開催されているAsia Clean Energy Forum(ACEF)2026に参加しています。

ACEFで、タイ国営電力公社(EGAT)による分散型エネルギーとデマンドレスポンス(DR)の大規模導入戦略についてのプレゼンテーションがありました。

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タイでは今後200万kW規模のDRリソースの確立を目指し、ADBの支援の下、先進国のベストプラクティスを参考にして、制度整備や市場設計の見直しを進めていることが紹介されました。

議論の中心にあったのは、再生可能エネルギー、EV、蓄電池などの分散型リソースをどのように統合し、電力システム全体の柔軟性を高めていくかという点です。

タイで急拡大する分散型エネルギー

タイでは近年、屋根置き太陽光発電や工場・商業施設向けオンサイトPPAが急速に普及しています。

さらに、地方部では小規模太陽光発電や蓄電池を活用した分散型電源の導入も進んでおり、日本や欧州で議論される分散型エネルギー社会と同様の流れが形成されつつあります。

ACEFでの発表では、こうした分散型リソースを活用しながら、将来的にDRを200万kW規模まで拡大する方針が示されました。これは大型火力発電所数基分に相当する規模であり、単なる省エネ施策ではなく、電力システムそのものを変革する戦略として位置付けられています。

発表資料では、DRの普及に向けて電力市場制度や系統運用ルールの整備を進めていることも説明されました。

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EVがグリッド統合の中核へ

今回のセッションで特に印象的だったのは、EVが単なる輸送手段ではなく、電力システムの一部として位置付けられていることです。

EGATはVehicle-to-Grid(V2G)の導入プログラムを進めており、EVを移動可能な蓄電池として活用する構想を示しています。

タイでは中国系メーカーを中心にEVの普及が急速に進んでいます。BYDやAIONなどの車両が街中で一般的な存在となりつつあり、配車サービスGrabでもEVを利用する機会が増えています。

ACEFでは、今後EVをDRやVPP(仮想発電所)の重要な構成要素として活用し、太陽光発電の余剰電力吸収や需給調整力として利用する方向性が紹介されました。

発表資料では、需要予測、再エネ予測、マイクログリッド、蓄電池運用、EV統合などを含む包括的な規制改革の検討状況も示されており、分散型エネルギーを前提とした市場設計が進められていることが分かります。

AIが支える次世代VPP

無数の太陽光発電、蓄電池、EVを統合するためには、高度なデジタル技術が不可欠です。

ACEF全体を通じて繰り返し語られているのは、AIによる需給予測や分散型リソース制御の重要性です。DR、VPP、EV充放電制御を人手で運用することは現実的ではなく、AIによるリアルタイム最適化が前提となります。

アワリーマッチングが目指す「時間単位での再エネ利用最適化」も、こうした世界的な流れと軌を一にしています。

今回のACEFで見えてきたのは、再エネの導入拡大そのものではなく、その先にある「AIによって統合された分散型エネルギー社会」の姿です。タイはその実現に向け、DR200万kWという具体的な目標を掲げながら、制度・市場・技術の三位一体で取り組みを進めています。アジアにおける次世代電力システムの実験場として、今後の動向が注目されます。

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