日立、現場判断をAIで継承する「AIデブリーフィング技術」を開発 作業者・AI・ロボット連携を強化

· AI

日立製作所は2026年5月20日、現場作業者とAI・ロボットが得た知見を組織全体で活用可能にする「AIデブリーフィング技術」を開発したと発表しました。

Section image

同技術は、現場作業後の振り返りプロセスにAIを活用するもので、作業者が「なぜその判断をしたのか」という根拠を起点に複数AIと対話を行い、判断過程や因果関係を整理します。熟練者の暗黙知を言語化し、他の作業者やAI・ロボットへ共有可能な知見として蓄積することを狙います。

Naivyを中核に現場AI連携を高度化

今回の技術は、日立が開発を進める次世代AIエージェント「Frontline Coordinator - Naivy」に統合されます。Naivyは、現場作業者、AIエージェント、ロボットなどを連携させる「フィジカルAIオーケストレーションシステム」の中核を担う存在です。

現場では、AIやロボットの導入が進む一方、設備異常や突発トラブルへの対応では、依然として熟練者の経験や状況判断への依存が大きいとされています。今回のAIデブリーフィング技術では、単なる作業記録ではなく、「判断理由」や「状況認識」を整理・構造化することで、現場対応力の継承や応用力向上につなげます。

また、作業者自身が説明可能な形で判断背景を理解できる状態へ導くことで、AI依存ではなく、人間主体の意思決定支援を重視している点も特徴です。

フィジカルAI時代の現場運営モデルへ

製造業やインフラ分野では、生成AI、ロボティクス、IoTを組み合わせた「フィジカルAI」への関心が高まっています。特に労働力不足や熟練者減少が進む中、現場ノウハウをどのように継承・標準化するかが大きな課題となっています。

今回の日立の取り組みは、単なる自動化ではなく、人間・AI・ロボットが相互に学習しながら現場能力を高めていく運用モデルを目指すものと言えそうです。今後は、発電所、鉄道、工場、物流など、高度な安全管理と運用知識が求められる領域への展開も注目されます。

一般社団法人アワリーマッチング推進協議会の運営する電力・脱炭素無料ニュースサイト

Section image