韓国、再エネRPS廃止法案が前進 政府主導オークション制へ転換、長期契約型市場への移行加速

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韓国国会 気候・エネルギー・環境労働委員会 によると、韓国国会の同委員会は2026年5月19日、再生可能エネルギー供給義務制度(RPS)を廃止し、政府主導の再エネオークション制度へ移行する法案を承認しました。対象法案は、韓国国会の Bill Information System に登録されている再エネ制度改革法案で、今後さらに審議と本会議採決を経て成立を目指します。

韓国のRPS制度は2012年に導入され、大規模発電事業者に一定割合の再エネ調達を義務付ける仕組みとして運用されてきました。対象事業者は再生可能エネルギー証書(REC)を購入することで義務達成が可能となっており、実質的にREC市場を通じた再エネ導入促進政策として機能してきた経緯があります。

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REC市場から政府主導契約市場へ転換

今回の制度改革では、従来の「義務+証書市場」型から、政府が導入量や入札容量を設定し、競争入札によって長期契約を付与する方式への転換が柱となっています。

法案原案は、韓国最大野党「共に民主党」のKim Jung-ho議員らが提出したもので、政府が再エネ導入目標を設定し、競争オークションを通じて事業者を選定する仕組みを導入する内容です。委員会で可決された代替法案でも、この基本構造が引き継がれています。

韓国では近年、REC価格の変動や市場不安定化、系統制約、再エネ事業収益の不透明性などが課題視されていました。特に太陽光を中心にREC価格が大きく変動したことで、投資予見性の低下が指摘されてきました。

今回の制度変更によって、政府調達型の長期契約へ移行することで、事業者側の収益安定性を高める狙いがあるとしています。

欧州型CfDや長期固定価格モデルに接近

新制度は、欧州各国で導入が進むCfD(Contracts for Difference:差額決済契約)や固定価格型オークション制度に近い構造を持つとみられています。

近年の欧州では、単純なFITやREC市場だけではなく、政府主導オークションを通じて長期固定価格契約を付与する方式が主流化しています。特に電力価格変動や金利上昇局面では、長期収益安定性を確保できる制度への需要が高まっていました。

韓国政府も、再エネ大量導入と電力系統安定化を両立させる必要性を強調しています。

韓国政府 Ministry of Climate and Energy の資料では、2030年までに再エネ100GW導入を目指す方針が示されており、送電網増強や市場制度改革も重要政策として位置付けられています。

また、韓国のRPS制度については、IEAの制度解説 においても、500MW超の発電事業者に再エネ供給義務を課す制度として整理されています。

日本の高度化法・非化石証書制度との比較も注目

今回の韓国の制度転換は、日本の非化石価値市場や高度化法との比較でも注目されそうです。

日本では、高度化法に基づき、小売電気事業者に非化石電源比率向上を求める制度が導入されており、実質的には非化石証書購入を通じたRPO(Renewable Portfolio Obligation)的な性格を持ってきました。

一方で、日本でも近年は、容量市場や長期脱炭素電源オークション、ベースロード市場、長期電源調達など、中長期的な電力調達を小売側にどのように手当てさせるかという議論が進んでいます。ただし、日本の場合は必ずしも再エネ限定ではなく、原子力、LNG火力、蓄電池なども含めた供給力全体の確保という側面が強い点が特徴です。

こうした中、韓国がREC市場型から政府主導の再エネ長期契約型へ舵を切ろうとしている点は、日本にとっても参考となる可能性があります。特に、再エネ大量導入時代において、価格変動リスク、投資回収予見性、系統制約をどのように制度的に調整するかという論点は、東アジア各国に共通する課題となりつつあります。

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