出光興産、千葉県市原市で国内最大級の油化ケミカルリサイクル設備を商業運転開始
出光興産、千葉県市原市で国内最大級の油化ケミカルリサイクル設備を商業運転開始
出光興産は、2026年4月28日、子会社のケミカルリサイクル・ジャパンを通じて千葉県市原市に建設していた油化ケミカルリサイクル設備の商業運転を発表しました。この新設備は、年間2万トンの使用済みプラスチックを処理する能力を持ち、国内でも最大規模の商業用設備となります。
油化技術によるプラスチック資源の循環
今回稼働を開始した設備は、従来は焼却処分されていた使用済みプラスチックを熱分解して生成油へと戻す「油化ケミカルリサイクル」技術を採用しています。この工程で得られた「生成油」は、同社の千葉事業所にある原油精製設備やエチレン製造装置の原料として再利用される仕組みです。

この取り組みの大きな特徴は、使用済みプラスチックを再びプラスチックの原料に変える「水平リサイクル」を実現する点にあります。これにより、化石資源への依存度を低減させ、温室効果ガスの排出抑制にも寄与する持続可能な生産モデルの構築を目指すとしています。
地政学リスクと日本流の技術革新
現在、中東ホルムズ海峡の情勢不安により、石油化学製品の基礎原料となるナフサの供給制約が懸念されています。資源価格の高騰や物資不足の懸念が広がるなか、国内でプラスチック資源を循環させる本技術は、単なる環境対策を超えた「資源安全保障」の一翼を担うものとして期待が集まっています。
かつての第一次石油危機(オイルショック)の際、日本は徹底した省エネ技術や小型車の開発により、ピンチを飛躍の糧にして世界をリードしました。今回のアップサイクル技術の社会実装も、日本特有のきめ細やかな省資源対策として、地政学的な危機を技術革新の好機へと転換する象徴的な一歩になると目されています。
