インド、送電制約で再エネ300GWh出力抑制 急拡大する太陽光・風力に系統整備追いつかず
インド、送電制約で再エネ300GWh出力抑制 急拡大する太陽光・風力に系統整備追いつかず
英国エネルギー分析機関Emberは、2026年5月、インドの再生可能エネルギー導入拡大に対して送電網整備が追いつかず、2026年第1四半期(1〜3月)に約300GWhの再エネ出力抑制が発生したとする分析レポートを発表しました。
同期間の出力抑制量は、インド全国の再エネ抑制量の約3分の2を占めたとされます。特にラジャスタン州やグジャラート州など、大規模太陽光・風力開発地域で送電制約が顕在化しているようです。

再エネ急増と送電網不足が顕在化
インドでは近年、太陽光と風力の導入が急速に進んでいます。特に西部・北西部地域では、日照条件に優れた大規模太陽光発電所が相次いで建設されてきました。
一方、需要地はデリー、ムンバイ、南部工業地帯などに集中しており、長距離送電網への依存が高まっています。しかし、超高圧送電線や変電設備の整備が発電所建設ペースに追いつかず、系統混雑が拡大しています。
Emberは、今後さらに再エネ比率が上昇する中、送電容量不足が発電抑制や投資リスクにつながる可能性があると整理しています。
蓄電池や柔軟性市場整備も課題に
インド政府は2030年までに500GWの非化石電源導入を掲げていますが、その実現には送電網強化に加え、蓄電池や需給調整市場の整備が不可欠になりつつあります。
近年は系統用BESS(Battery Energy Storage System)導入や、再エネ+蓄電池ハイブリッド案件も増加しています。ただし、再エネ立地と需要地が遠距離に分散する構造は変わらず、送電インフラ投資がボトルネック化する可能性もあります。
インドの事例は、再エネ大量導入では「発電設備建設」だけでなく、送電網・蓄電池・市場制度を含めた統合設計が必要であることを示すケースとして注目されそうです。
出典:Ember
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