TDK、マレーシア電池メーカーLinergy Powerを買収 中型蓄電池事業を強化

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TDKは、2026年5月19日、マレーシアの中型リチウムイオン電池メーカーLinergy Power Sdn Bhdを買収すると発表しました

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TDKのシンガポール子会社であるAmperex Technology (Singapore) Pte. Ltd.を通じて、Linergy Powerの全株式を取得します。取得額は約2億4110万米ドル(約380億円)で、2026年6月15日に株式譲渡を完了する予定です。

Linergy Powerはマレーシアを拠点に中容量帯のリチウムイオン二次電池を製造しており、エネルギー貯蔵装置(ESS)や産業機器向けなどの用途に対応しています。TDKは今回の買収によって、中型電池領域における製品供給力と生産体制を拡充する考えです。

AI・データセンター需要拡大で中型電池市場に注目

近年はAI向けデータセンターや通信インフラ、産業機器分野を中心に、バックアップ電源や蓄電用途で中型蓄電池の需要が拡大しています。

特に生成AIの普及に伴い、GPUサーバーや通信設備の電力安定化ニーズが急増しており、UPS(無停電電源装置)や蓄電システム向け電池市場が世界的に拡大している状況です。

TDKはスマートフォン向け小型電池などで強みを持つ一方、中容量帯の事業基盤強化を進めており、今回の買収もその戦略の一環とみられます。

また、地政学リスクや米中摩擦を背景に、中国以外の電池生産拠点への分散需要も高まっている。マレーシアはASEAN域内でも電子部品・電池関連産業の集積が進んでおり、サプライチェーン再編の受け皿として存在感を強めています。

電池サプライチェーン再編の一端に

今回取得対象となるLinergy Powerは設立から日が浅い企業ですが、現地報道では中国系バッテリーサプライチェーンとの関係も指摘されています。

TDKはこれまで、車載向けよりも民生・産業用途を中心に電池事業を展開してきました。今後はAIインフラや分散型エネルギーシステム向けの需要増加を背景に、中容量電池市場での競争が一段と活発化する可能性があります。

再エネ拡大やデータセンター増設によって蓄電需要が世界的に増える中、電池メーカー各社による供給能力確保や地域分散投資がさらに進みそうです。

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