NSW州、再エネ2.5GWと蓄電池12.5GWh級の大型入札を開始 政府主導型REZ整備が加速
NSW州、再エネ2.5GWと蓄電池12.5GWh級の大型入札を開始 政府主導型REZ整備が加速
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(NSW州)は、2026年5月、再生可能エネルギーと長時間蓄電池を対象とする大規模入札制度を発表しました。対象規模は、太陽光・風力発電合わせて約2.5GW、蓄電池は最大12.5GWhに達し、州内でも過去最大級の再エネ調達案件です。

今回の入札は、NSW州が推進する「Electricity Infrastructure Roadmap」に基づくもので、AEMO Services(現AusEnergy Services Limited)が制度運営を担当しています。Long-Term Energy Service Agreement(LTESA)を活用し、長期契約を通じて民間投資を促進する仕組みです。
特徴的なのは、単なる発電設備の募集ではなく、政府主導で「Renewable Energy Zone(REZ)」を先行整備している点です。州政府系機関EnergyCoが、送電線計画、接続容量、地域調整、土地利用、道路整備などをあらかじめ進め、その上で民間事業者を公募する構造となっています。
「先に系統を準備する」欧州型モデルへ
従来の再エネ開発では、発電事業者が個別に適地を探し、送電網への接続協議を行うケースが一般的でした。一方、近年の欧州やオーストラリアでは、政府や系統運用機関が先に広域計画を策定し、接続可能なエリアを指定する方式が広がっています。
英国ではCfD(Contracts for Difference)制度と系統整備を組み合わせながら大規模再エネ導入を進めています。EU全体でも「Acceleration Areas」やREZ構想など、再エネ導入適地を政策的に整理する流れが強まっています。
背景には、再エネ大量導入に伴う系統混雑や接続待ち問題があります。太陽光や風力は資源条件が偏在するため、個別最適の開発だけでは送電線不足や地域偏在が発生しやすく、後追いでの系統増強では対応が難しくなっているようです。そこで、政府側が広域系統計画や地域インフラ整備を先行させる方向へ移行しています。
日本でも系統・立地一体型の議論進むか
日本でも北海道や東北、九州などで系統混雑が顕在化しており、蓄電池やデータセンターを含めた接続協議の長期化が課題となっています。再エネ事業者が個別に土地を探索し、自治体調整や系統協議を進める従来型モデルでは、最適立地や広域調整に限界があるとの指摘もみられます。
近年は「ワット・ビット連携」や広域系統マスタープランなど、発電設備・需要地・送電網を一体的に整備する方向性も議論され始めました。民間投資を基本としながらも、政府や自治体が一定程度、適地選定やインフラ調整を支援するPPP型アプローチが、今後一部で検討対象となる可能性もありそうです。
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