カナダMoment Energy、EV中古電池再利用ギガファクトリー建設へ 4,000万ドル調達で北米蓄電池供給網拡大

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カナダの蓄電池リユース企業Moment Energyは、2026年5月、4,000万ドルのSeries B資金調達を実施し、北米での蓄電池製造能力拡大を進めると発表しました。同社は、EV(電気自動車)向け使用済みリチウムイオン電池を再利用した系統用蓄電池(BESS)製造を拡大し、テキサス州で大規模製造施設の建設を進める方針です。

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今回の資金調達には、Amazon Climate Pledge Fundのほか、Voyager Ventures、Version One Venturesなどが参加しました。調達資金は、製造設備拡張、ソフトウェア開発、人材採用などへ活用される見込みです。

EV中古電池を系統用蓄電池へ転用

Moment Energyは、EV用途を終えた中古電池を回収し、定置用蓄電池として再利用する事業を展開しています。

EVでは航続距離や高出力性能が求められる一方、車載用途を終えた電池でも、定置型エネルギー貯蔵用途では十分な残存性能を持つケースがあります。同社はこうした電池を選別・再構成し、産業用途や系統安定化用途向け蓄電池として再利用するとしています。

新工場では、UL1974認証に対応した電池再利用プロセスを採用する計画です。UL1974は、EV中古電池の再利用に関する安全性・性能評価基準として北米市場で注目されています。

同社は、北米域内で増加が見込まれるEV廃電池を活用し、系統用蓄電池サプライチェーンを構築する方針を示しています。

AIデータセンター需要拡大も背景に

近年は、AI向けデータセンターや再生可能エネルギー導入拡大を背景に、蓄電池需要が急速に拡大しています。

特に米国では、系統混雑緩和やピークシフト用途に加え、データセンター向けバックアップ電源や再エネ併設型蓄電池への投資が増加しています。一方でEV普及拡大に伴い、2030年代以降は大量の中古EV電池発生も見込まれています。

こうした中、リユース市場を形成できれば、資源循環や蓄電池コスト低減につながる可能性があります。リチウム、ニッケル、コバルトなど重要鉱物の供給制約や価格変動リスクが続く中、中古電池活用への関心も高まりつつあります。

北米で進む電池サプライチェーン再構築

米国では近年、インフレ抑制法(IRA)を背景に、電池・蓄電池関連投資が急増しています。

新規電池工場建設だけでなく、リサイクル、リユース、資源回収まで含めたサプライチェーン再構築が進められており、北米域内で循環型電池産業を形成する動きが広がっています。

中古EV電池を活用した定置用蓄電池市場についても、再エネ導入拡大や電力系統柔軟性需要増加を背景に、今後さらに投資が拡大する可能性があります。AIデータセンター拡張に伴う電力インフラ強化とも重なり、蓄電池リユース市場の成長余地は大きいとの見方も出ています。

出典:Moment Energy

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