EWE、独エムデン320MW水素製造設備の主要契約完了 Bilfingerに建設中核業務を発注
EWE、独エムデン320MW水素製造設備の主要契約完了 Bilfingerに建設中核業務を発注

同設備は、欧州最大級クラスの水電解設備の一つと位置付けられており、2027年後半から産業向けグリーン水素供給開始を目指しています。プロジェクトはEUのIPCEI(Important Projects of Common European Interest:欧州共通利益重要プロジェクト)制度の対象にもなっています。
北西ドイツで水素バリューチェーン構築へ
「Clean Hydrogen Coastline」は、北西ドイツ地域において、水素の製造、輸送、貯蔵、利用を一体化することを目的とした大型プロジェクトです。
エムデンでは320MWの水電解設備を中心に、水素製造拠点形成が進められています。さらに、ハントルフ地区での水素貯蔵設備整備や、既存ガスインフラ改修なども計画されています。
EWEは、北海沿岸部の再生可能エネルギー電力を活用し、産業向けグリーン水素供給網を形成する方針です。対象用途としては、鉄鋼、化学、重工業など、電化が難しい産業部門が想定されています。
今回Bilfingerへ発注された工事では、数km規模の配管敷設や補機設備統合も含まれています。Bilfingerは、水素プラント向けシステムインテグレーション経験を持つ企業として選定されたとしています。
Siemens Energy製電解装置を採用
EWEは2024年、Siemens Energyを電解装置サプライヤーとして選定していました。
設備容量は当初280MWとして公表されていましたが、その後320MWへ拡張されています。設備稼働後は年間約2万6,000トン規模のグリーン水素生産が想定されており、鉄鋼用途などで活用した場合、年間約80万トンのCO2削減効果が見込まれるとしています。
ドイツ政府は2030年までに国内水素製造能力10GWを目標として掲げており、同プロジェクトはその中核案件の一つとして位置付けられています。
欧州で進む水素インフラ大型化
欧州では近年、再エネ拡大に伴う余剰電力活用や産業脱炭素化を背景に、水素関連投資が急速に拡大しています。
特にドイツでは、鉄鋼、化学、輸送分野を中心に、水素需要拡大を見込んだインフラ整備が進んでいます。一方で、グリーン水素事業については、電力価格、追加性ルール、GHG算定基準、長期オフテイク契約形成など課題も多く、事業採算性確保が大きな論点となっています。
EWEも今回、Bilfingerとの契約締結によって、長期供給契約締結へ向けた基盤整備が進むとの見方を示しています。欧州では、水素製造設備単体ではなく、再エネ電力、水素輸送、貯蔵、産業利用まで含めた統合型バリューチェーン形成が加速しつつあります。
出典:EWE AG
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