Jパワー、奥只見発電所3号機の出力を6,000kW増強 国内最大の一般水力発電所が566MW体制に

· 水力発電

電源開発株式会社(Jパワー)は、2025年12月4日、奥只見発電所3号機の水車ランナ更新により、発電機出力を120,000kWから126,000kWへ増強したと発表しました

今回の更新により、福島県南会津郡檜枝岐村に立地する奥只見発電所の最大出力は、1・2号機各120,000kW、3号機126,000kW、4号機200,000kWを合わせ、合計566,000kWとなりました。一般水力発電所としては国内最大規模となります。

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水車ランナ更新で発電効率を向上

更新対象となった3号機では、水車内部の水流をコンピューター解析する技術を用い、翼形状を最適化した新型水車ランナを導入しました。水流シミュレーションに基づきエネルギー変換効率を高めることで、水利権条件を変更せずに6,000kWの出力増加を実現した構成です。

通常、水力発電所の出力増強には最大流量や有効落差の変更が伴うケースもありますが、今回は既存設備条件の範囲内で効率改善を行った点が特徴となっています。

水車ランナは、水の運動エネルギーを回転エネルギーへ変換する中核設備であり、形状最適化によって発電効率が大きく左右されます。近年はCFD(数値流体力学)解析技術の進展により、既設水力設備の高効率化が進んでいます。

既設水力のリパワリング拡大へ

国内では新規大型水力の開発余地が限られる一方、既設発電所の設備更新による「リパワリング」が注目されています。特に1950~1970年代に建設された大規模水力では、老朽設備更新と同時に発電効率向上を図る事例が増えています。

奥只見発電所は、日本有数の大規模一般水力として首都圏向け電力供給を支えてきた発電所であり、出力増強によって追加的な再エネ電力供給が期待されます。水力発電は調整力や慣性力を持つ安定電源としても重要性が再認識されており、再エネ比率拡大下での系統安定化にも寄与するとみられています。

Jパワーは今後、他号機や他水力発電所でも水車ランナや発電機更新を進める方針を示しており、既設水力資産の高効率化が国内再エネ拡大策の一つとして広がる可能性もありそうです。

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