Energy Vault、日本市場へ本格参入 850MW蓄電池ポートフォリオ取得で「次のERCOT」狙う
Energy Vault、日本市場へ本格参入 850MW蓄電池ポートフォリオ取得で「次のERCOT」狙う
米Energy Vaultは、2026年4月、日本国内の系統用蓄電池(BESS)開発ポートフォリオ850MWを取得し、日本市場へ本格参入すると発表しました。同社は、日本を「世界で最も成長性の高い蓄電市場の一つ」と位置付けています。

Energy Vaultは米カリフォルニア州に本拠を置く蓄電・エネルギーマネジメント企業です。重力式蓄電技術で知られる一方、近年はリチウムイオン蓄電池やソフトウェア制御、蓄電所運営まで事業領域を拡大しています。NASDAQ上場企業でもあり、グローバルで大規模蓄電所開発を進めています。
今回取得した日本のポートフォリオには、2027年後半の着工を想定する350MWの開発後期案件と、500MWの初期開発案件が含まれます。2028年後半から商業運転開始を予定しており、日本のローカル開発チームも統合する計画です。 (ビジネスワイヤ)
「4〜5年前のERCOT」に似る日本市場
Energy Vaultの経営陣は、日本の蓄電市場を「4〜5年前のERCOT(米テキサス電力市場)」に近い状況と評価しています。ERCOTでは再エネ大量導入と系統制約を背景に、系統用蓄電池市場が急拡大しました。
同社は日本市場についても、
- 再エネ導入拡大
- 系統混雑増加
- 出力抑制拡大
- 需給調整市場整備
- 容量市場収益
- 卸市場裁定取引
などが重なり、蓄電池投資機会が急速に拡大しているとみています。
特に日本では、長期脱炭素電源オークション、容量市場、需給調整市場、スポット市場を組み合わせる「Revenue Stacking(多層収益化)」が形成されつつあります。Energy Vaultは、この構造が初期ERCOT市場と類似しているとの見方を示しました。 (LinkedIn)
AI・データセンター需要も視野
同社は今回の発表で、日本市場におけるAI計算需要やデータセンター向け電力供給も成長分野として言及しています。再エネ比率上昇に伴い、柔軟な調整力や長時間蓄電池の必要性が高まるとの見通しです。
また、日本市場について「underpenetrated(未成熟)」と評価しており、今後急速な市場拡大が見込まれるとしています。実際、日本では2024年以降、長期脱炭素電源オークションを契機にGWh級蓄電池案件が急増しています。
海外投資家からは、日本市場は制度整備が始まったばかりの高成長市場として認識されているようです。一方で、系統接続、地域調整、運用ルール、調整力市場価格の不確実性など、制度成熟途上ならではのリスクも残されています。
Energy Vaultは、VaultOSやB-VAULTなどの自社制御プラットフォームを活用し、日本市場での蓄電池運用最適化を進める方針です。今回の案件により、同社のグローバル保有資産は1GW超となる見込みです。 (ビジネスワイヤ)
一般社団法人アワリーマッチング推進協議会の運営する電力・脱炭素無料ニュースサイト

