宇都宮市、超高圧変電所に隣接するデータセンター用地の分譲を開始

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宇都宮市は、同市上田町に位置する「上田町データセンター用地」について、事業者の公募による分譲を発表しました。約3.4ヘクタールの面積を持つこの用地は、AI需要の拡大に伴う電力消費の増大を見据え、インフラ効率を最大化した官民連携モデルとして注目を集めています。

超高圧変電所への近接による送電負荷の低減

本立地の最大の特徴は、東京電力パワーグリッドの「新栃木変電所」という超高圧変電所に近接している点にあります。通常、データセンター建設では高圧送電線からの引き込み工事に莫大なコストと期間を要し、送電網への負荷も大きな懸念材料となります。

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しかし、超高圧変電所の至近に立地することで、送電ロスを最小限に抑えつつ大容量の電力を安定的に確保することが可能です。市主導でインフラ環境を整備し、送電網への負荷が極めて少ない土地を事業者に提供する試みは、全国的にも先進的な事例となります。

地域共生と持続可能な開発モデルの提示

近年、都市部近郊でのデータセンター建設を巡っては、冷却設備の騒音や景観問題を巡る地域住民とのトラブルが課題となっています。これに対し宇都宮市は、市が主体となって適切な土地利用計画を策定し、周辺環境との調和を図った上で事業者を公募する手法を採用しました。

同市は、この開発を通じて、高度なデジタル基盤の構築と地域社会の安心を両立させる持続可能な産業誘致のあり方を示していく方針です。地政学的なエネルギー制約が強まるなか、電力インフラの「究極の近接」を実現した本モデルは、日本のデジタルインフラ戦略におけるピンチをチャンスに変えるきめ細かな解決策として期待されています。