東京電力パワーグリッド、低圧系統への蓄電池接続増に対応し連系協議フォーマットを改定

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東京電力パワーグリッドは、2026年4月30日、低圧配電線へ接続する蓄電池設置の申し込みが急増している状況を受け、「低圧配電線への系統連系技術協議依頼票」に新たな記載項目を追加することを発表しました。2026年5月15日以降の申し込み分より、新書式での提出が必須となります。

蓄電池の「系統充放電」ニーズの急増と背景

昨今、太陽光発電の余剰電力利用だけでなく、電力市場の価格変動に合わせて送配電系統から蓄電池へ充電し、価格が高い時間帯に放電して売電を行う「系統用蓄電池」への注目が急速に高まっています。これに伴い、一般家庭や小規模事業所が接続する低圧配電線においても、蓄電池の設置申し込みが相次ぐ事態となっています。

これまでの連系協議では、蓄電池が系統から充電するのか、あるいは系統へ放電するのかを詳細に把握する項目が不足していました。急増するニーズに対し、設備の正確な動作実態を把握できないまま接続を許可すると、局所的な電圧上昇や配電線の容量オーバーを招くリスクがあるため、同社はより詳細な情報の提供を求める判断を下しました。

発電設備・蓄電池の連系手続きフローと変更点

低圧配電線への系統連系(非FIT・FIP)における標準的な手続きフローは、事前協議から連系開始まで全9ステップで構成されています。今回の改定は、特に「ステップ3」の技術協議・連系検討プロセスを精緻化するものです。

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追加された項目では、蓄電池設置の有無に加え、具体的に「系統からの充電の有無」および「系統への放電有無」を個別に記載することが求められます。これにより、同社は個々の蓄電池が系統に与える双方向の影響を事前に精緻にシミュレーションし、接続可否や必要な対策をより迅速かつ正確に判断できるようになります。この対応は、分散型リソースの導入を支えるための不可欠なステップであるとしています。

申し込みの注意事項と標準的な所要期間

手続きの流れとしては、まずステップ1で任意の事前協議を行い、ステップ2で「発電量調整供給契約」を申し込みます。その後、ステップ3の技術協議を経て、ステップ4の設備設計や用地交渉へと進みます。用地交渉には数週間から半年程度を要する場合があるほか、茨城県などの申し込み集中地域では、連系開始(ステップ8)までに10~12ヶ月程度の期間が必要となるケースも報告されています。

実務担当者は、2026年5月15日の完全移行を前に、新しい技術協議依頼票の記入例を確認し、遅滞のない手続き準備が求められます。