富士電機、海外の配電盤生産体制を大幅強化 マレーシア新拠点へ70億円投資

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富士電機株式会社は、2026年4月28日、海外での配電盤生産能力を増強するため、約70億円の設備投資を行うことを発表しました。急速に需要が拡大するアジアおよび北米のデータセンター(DC)市場をターゲットに、供給体制の最適化と強化を加速させます。

シンガポールの子会社、富士SMBEがマレーシアで立ち上げている新生産棟に、2026年6月から最新の生産設備を導入し、10月の稼働開始を目指します。今回の投資により、富士SMBEの配電盤生産能力は現在の1.5倍に拡大する見通しです。

ユニット化技術で工期短縮を支援

今回の投資の目玉は、単なる増産にとどまらず、スキッドシステムや「コンテナパワートレインユニット(コンテナPTU)」の生産体制を大幅に強化することにあります。これらは配電盤や無停電電源装置(UPS)、変圧器を共通架台に一体化(ユニット化)して現地へ搬入する手法であり、顧客先での据付・設置工事の期間を劇的に短縮します。

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DC周辺事業への重点化と競合動向

富士電機は、生成AIの進展による電力消費量の増大を見据え、受配電設備や空調などDC周辺事業への経営資源の集中を進めています。同様の戦略は競合他社でも見られ、特に明電舎もDC向けに強みを持っています。明電舎は、特高受変電設備から非常用発電機、さらには運用監視保守までをトータルで提供できる体制を整えており、富士電機と同じく「システムのパッケージ化」による現地工事の効率化でDC市場での存在感を高めています。

DC建設の「地産地消」が進む中、現地での試験・調整を含めた一貫した供給能力を持つことは、グローバルなビジネスリーダーにとって不可欠な情報です。富士電機は、マレーシアをハブとした供給網を構築することで、北米を含むグローバル市場でのシェア拡大を確実なものにする構えです。