日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会、主要5社で設立 安全基準や標準化を共同推進
日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会、主要5社で設立 安全基準や標準化を共同推進
日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(JPSC)は、2026年5月15日、ペロブスカイト太陽電池の量産化や社会実装を見据えた業界団体「一般社団法人日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(JPSC)」を設立したと発表しました。
発起人には、アイシン、エネコートテクノロジーズ、積水ソーラーフィルム、パナソニックホールディングス、リコーの5社が参加。東京大学の田中良氏が代表理事に就任し、東京都内に事務所を設置する予定です。
JPSCは、ペロブスカイト太陽電池の安全性や品質保証、製品認証、製品規格の標準化、リサイクル技術、サプライチェーン構築など、各社共通の課題に対応することを目的として設立された。今後は建設業、施工事業者、PPA事業者、金融機関、保険業界などとの連携も進め、関連産業を含めたエコシステム形成を目指す考えです。

フィルム型の普及を見据えた標準化と施工体制整備
ペロブスカイト太陽電池は、軽量・柔軟で曲面にも設置しやすい特徴を持ち、従来のシリコン型太陽電池では設置が難しかった建物外壁や窓、耐荷重性の低い屋根、インフラ空間などへの導入が期待されています。
JPSCでは、製品試験や認証制度、品質・安全ガイドライン策定、国内外の標準化活動、人材育成、海外展開支援などを進める方針です。製造から廃棄・リサイクルまで含めたライフサイクル全体のルール形成も視野に入れています。
経済産業省の「次世代型太陽電池戦略」では、2040年に国内20GW導入を目指す方針が示されており、量産技術、生産体制、需要創出を一体的に進める方向性が打ち出されています。
また、国土交通省資料では、高速道路PA、空港、港湾、鉄道駅などへの導入実証が進んでおり、インフラ空間への展開も本格化しつつあります。
官民連携で市場立ち上げへ
環境省は政府施設への率先導入を検討しており、2035年・2040年を視野に導入目標策定を進めています。政府施設だけでも約11万kWの導入ポテンシャルがあると試算されています。
日本はペロブスカイトの主原料となるヨウ素の世界有数の供給国でもあり、材料から施工、リサイクルまで国内サプライチェーンを構築できる可能性があります。過去にシリコン太陽電池で海外勢に主導権を奪われた反省を踏まえ、今回は知財や製造ノウハウを含めた産業基盤の確立を急ぐ構えです。
JPSCは2026年12月以降、幅広い企業・団体への会員募集を開始する予定としています。
過去にも進められていた日本の薄型太陽電池の海外展開
官民が連携し、日本の優れた太陽光パネルや蓄電池を海外に展開する取り組みは、実は、2010年ごろに私たち一般社団法人アワリーマッチング推進協議会の前身であるNPO法人Regional Task Force(RTF)でも行われていました。
RTFのメンバーは、当時太陽光パネルや蓄電池で圧倒的な競争力を保持していたシャープ・京セラ・パナソニック・ソーラーフロンティア・東芝・日立に加えて、3メガバンク・商社などでした。このうち積水化学は、世界に先駆けて薄型太陽電池のアジアへの展開を図っていました。
RTFは、アジア開発銀行(ADB)が設立を支援し、2010年12月には東京で国際会合を開催し、経済産業副大臣や財務副大臣に加え、アジアや欧州の政府関係者らを招いて、500人規模で日本製の太陽光発電・蓄電池技術の海外普及や市場形成について議論が行われた経緯があります。しかし、その後、東日本大震災以降の社会・政策環境の変化などもあり、こうした活動は休止状態となっていました。
従って、今回、JPSCの設立によって再び国内の量産化や標準化、国際展開に向けた動きが具体化し始めたことで、日本の高品質な次世代太陽電池技術の海外展開機運が再び高まりつつあることが期待されるところです。
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