エンバー、風力・太陽光が世界発電量の22%到達と発表 4月として初めてガス火力を上回る

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英国のエネルギーシンクタンクEmberは、2026年5月、世界の電力需給動向に関する分析を公表し、2026年4月の世界発電量に占める風力・太陽光発電の割合が22%となり、月単位で初めてガス火力発電(20%)を上回ったと発表しました。

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分析では、2026年4月の風力・太陽光発電量は合計531TWhとなり、ガス火力発電の477TWhを約54TWh上回ったとしています。Emberは、この変化について、一時的な燃料価格高騰のみではなく、過去数年間にわたる再生可能エネルギー導入拡大の結果だと位置付けています。

近年は中東情勢などを背景にLNG価格や化石燃料市場の不安定化が続いていますが、同団体は、再エネ拡大がガス輸入依存度低下にも寄与しているとの見方を示しています。

太陽光が世界需要増加を牽引

Emberが4月に公表した「Global Electricity Review 2026」では、2025年の世界電力需要増加分の75%を太陽光発電が賄ったと分析しています。

2025年の世界太陽光発電量は前年比30%増の2,778TWhへ拡大しました。過去10年間で太陽光発電量は約10倍に増加しており、世界で最も成長速度の速い電源の一つとなっています。

風力と太陽光を合わせると、2025年の世界電力需要増加分の99%をカバーしたとされています。結果として、化石燃料火力全体の発電量増加は抑制され、2025年の化石燃料発電量は前年比でほぼ横ばいとなりました。

また、世界全体では、再生可能エネルギー比率が33.8%となり、石炭火力比率(33%)を初めて上回ったとしています。

中国・インドが導入拡大を主導

再エネ拡大を牽引しているのは中国です。

Emberによると、2025年に世界で増加した太陽光発電量の半分以上を中国が占めました。中国では太陽光パネル製造能力拡大も続いており、グローバル市場への供給も急増しています。

インドでも再エネ導入が拡大しており、2025年には再エネ発電量が98TWh増加したとされています。これにより、同国では化石燃料発電量が減少に転じました。

一方、欧州連合(EU)でも、2025年に風力・太陽光発電が化石燃料発電を初めて上回りました。EUでは風力・太陽光が30%、化石燃料が29%となっています。

系統安定化や蓄電池拡大も課題に

再エネ比率上昇に伴い、電力系統安定化や蓄電池導入拡大も重要性を増しています。

太陽光発電は昼間偏重型電源であり、夕方以降の供給不足や出力変動への対応が必要になります。そのため近年は、系統用蓄電池(BESS)や需要側調整、送電網増強への投資も急拡大しています。

AIデータセンターやEV普及による電力需要増加も続いており、今後は「再エネ導入量」だけでなく、「変動電源をどのように統合するか」が大きな論点になりそうです。

Emberは、再エネ拡大によって世界電力部門が構造転換局面へ入りつつある一方、今後は蓄電池、送電網、柔軟性市場整備が重要になるとの見方を示しています。

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