米エネルギー貯蔵導入量、第1四半期で過去最高更新

AI・データセンター需要が蓄電池市場を押し上げ

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American Clean Powerは、2026年5月21日、米国の2026年第1四半期におけるエネルギー貯蔵設備の新規導入量が過去最高を更新したと発表しました

米国の調査会社Wood Mackenzieと共同でまとめた「U.S. Energy Storage Monitor」によると、2026年第1四半期に新たに導入された蓄電池容量は9.7GWhとなり、前年同期比で32%増加しました。特に系統用(Utility-scale)蓄電池が全体の約8割を占め、7.8GWhが導入されています。

テキサス州、カリフォルニア州、アリゾナ州など、大規模な再生可能エネルギー導入が進む地域が市場拡大を牽引した形です。

AI・データセンター需要が電力インフラ投資を加速

今回のレポートでは、生成AIやクラウドサービス拡大によるデータセンター需要の急増が、蓄電池市場の拡大要因として強調されています。

Wood Mackenzieは、米国のデータセンター向け電力需要が2026年から2030年にかけて急増し、関連設備容量が約24GWから110GW規模へ拡大する可能性があると分析しています。

特にAI向けGPUサーバーを大量導入するハイパースケール型データセンターでは、24時間安定した電力供給が求められるため、太陽光・風力発電に加えて、短周期の需給変動を吸収する蓄電池需要が急速に高まっているようです。

米国では近年、再エネ導入拡大によって昼間の太陽光余剰と夕方ピーク時の需給逼迫が顕著になっており、4時間前後のリチウムイオン蓄電池が卸電力市場や容量市場で重要な役割を担い始めています。

特にテキサス州ERCOT市場では、夕方ピーク時に蓄電池が系統供給の数十%を占めるケースも増えており、系統安定化リソースとしての存在感が拡大中です。

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再エネ・ガス火力・蓄電池の組み合わせへ

レポートでは、AI需要増加に対応するため、米国の電源投資が「再エネ+蓄電池」だけでなく、天然ガス火力を含めたハイブリッド型へ移行しつつある点にも触れています。

特にデータセンター事業者は、24時間電力供給を重視する傾向を強めており、太陽光PPAや風力PPAに加え、長時間蓄電池やガスタービンを組み合わせる動きが加速している模様です。

Amazon、Google、Microsoftなどの大手テック企業は、24/7 Carbon-Free Energy(24/7 CFE)戦略を掲げ、時間単位で再エネ供給と電力消費を一致させる取り組みを進めています。こうした流れの中で、蓄電池は単なるピークカット設備ではなく、アワリーマッチングを支える中核インフラとして位置付けられ始めています。

一方、米国内では系統接続待ち(interconnection queue)の長期化も課題になっており、送電制約や変圧器不足が新規データセンター建設や蓄電池導入のボトルネックになりつつあります。

今後は、再エネ導入拡大だけでなく、蓄電池・送電網・柔軟性市場を含めた統合的な電力システム投資が加速する可能性もありそうです。

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