Google、AIデータセンター向け地熱電力を拡大 Fervoと連携し24時間脱炭素電源確保へ

· 再エネ

Googleは、AIデータセンター向けの安定的な脱炭素電力確保に向け、次世代地熱発電の導入を進めています。同社は、地熱スタートアップFervo Energyとの連携による地熱電力活用を発表しており、米ネバダ州のデータセンター向けにクリーン電力供給を拡大しています。

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今回のプロジェクトでは、「Enhanced Geothermal Systems(EGS)」と呼ばれる次世代地熱技術を採用します。地下深部へ人工的に水を循環させ、既存地熱資源が乏しい地域でも発電可能にする技術です。Googleは、Fervoとの初期実証を経て、地熱供給規模を拡大する方針を示しています。

AI時代で“24時間電力”需要が急拡大

近年、AIデータセンターの電力需要増加が世界的課題となっています。生成AIや大規模GPUクラスタは、従来型データセンターを上回る大量電力を24時間連続で消費するため、安定供給可能な低炭素電源確保が重要になっています。

太陽光や風力は低コスト化が進む一方、天候や時間帯による変動があるため、AI用途では「24/7 Carbon-Free Energy(24時間365日カーボンフリー電力)」への関心が急速に高まっています。

Googleは以前から、年間ベースの再エネ調達だけではなく、「いつ発電された電力を、いつ使うか」を重視する24/7 CFE戦略を推進しています。地熱は昼夜を問わず安定出力が可能なため、アワリーマッチング(Hourly Matching)との親和性が高い電源として注目されています。

地熱と蓄電池、送電網強化の組み合わせへ

Googleは、太陽光・風力だけでなく、地熱、蓄電池、小型原子炉(SMR)なども含めた多様な電源ポートフォリオを模索しています。特に米国西部では、再エネ比率上昇に伴う夕方需給逼迫や送電制約が課題化しており、安定供給型クリーン電源への期待が高まっています。

Fervoの技術は、石油・ガス産業で培われた水平掘削や地下解析技術を活用している点も特徴です。従来型地熱より立地制約を緩和できる可能性があり、米国では「次世代ベースロード再エネ」として関心が高まっています。

また、AIデータセンター事業者の間では、単なる再エネ購入量ではなく、「実際の消費時間帯に対応した低炭素電力供給」を求める動きが広がっています。アワリーマッチングや24/7 CFEは、電力の時間価値・地域価値を重視する新たな脱炭素フレームワークとして存在感を強めています。

電力とAI産業戦略の一体化進む

AI産業競争が激化する中、電力確保そのものが国家競争力に直結し始めています。米国では、地熱、原子力、天然ガス、水素などを組み合わせた「AI時代の電力戦略」が急速に議論されています。

特にGoogleのような巨大データセンター事業者は、再エネ証書による年間オフセットではなく、リアルタイムでの低炭素電力利用を重視し始めています。こうした流れは、今後の電力市場制度や環境価値取引の在り方にも影響を与える可能性があります。

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