TOCOMの電力先物取引、前年比5倍の4,583GWh。EEXも2倍に

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日本取引所グループ(JPX)および東京商品取引所(TOCOM)は、電力先物の2025年取引量は、約4,583GWh(ギガワット時)で、前年比で約5倍となったと発表しました。

2025年の市場拡大を牽引したのは、基幹商品であるベースロード電力先物の活発な取引です。エリア別で見ると、東エリア・ベースロード電力先物が前年比で約5倍、西エリア・ベースロード電力先物が前年比で約3倍と、いずれも大幅な増加を記録しました。

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また、2025年5月に新たに導入された「年度物(4月~翌3月を対象とする契約)」の存在も、市場の厚みを増す大きな要因となりました。

年度物取引は開始直後から企業の予算策定や長期ヘッジニーズを捉え、2025年の年間で約771GWhの取引量を達成。これはTOCOM全体の年間取引量の約17%を占める規模となりました。

中部エリア上場

TOCOMでは市場の利便性向上に向けた取り組みを継続しており、2025年9月からは電力先物取引における手数料(定率参加料および清算手数料の合計)を半額相当とする割引キャンペーンを実施しています。これにより、2025年9月末時点での市場参加者数は193社にまで拡大しました。

さらに、2026年4月13日には、国内屈指の需要規模を持つ「中部エリア」の電力先物の上場が予定されています。製造業が集積する中部エリアが加わることで、全国的な電力需給のリスク管理インフラとしての機能がより一層強化される見通しです。

EEX(欧州エネルギー取引所)も市場拡大

日本の電力先物市場は、国内のTOCOMだけでなく、ドイツに本拠を置く欧州エネルギー取引所(EEX)の日本市場も大きな存在感を示しています。2025年通年の実績を比較すると、EEXの日本電力先物の取引量は約149.2TWh(テラワット時)に達し、前年比で約2倍に増加しました。

TOCOMが前年比5倍という急ピッチな成長で国内勢や小口ニーズを掘り起こしているのに対し、EEXは既に国内電力需要の約15%以上に相当する膨大な流動性を確保しており、国内外のトレーダーによる大規模な取引の受け皿となっています。

両取引所を合わせた2025年の総取引量は、日本の年間総電力需要の約17%に相当する規模まで成長しており、日本の電力市場が欧米並みの「金融・現物融合型」の成熟した市場へと急速に脱皮しつつあることを裏付けています。