【英国NESO実証(第7回)】投資行動に与える影響を分析 蓄電・柔軟性資源に新たな収益機会

· アワリーマッチング

英国のNational Energy System Operator(NESO)は、24/7カーボンフリーエネルギー(CFE)証書が投資行動に与える影響についての分析結果を発表しました。本パートでは、証書収益の構造と発電・蓄電・需要側への影響が整理されています。

投資インセンティブへの影響

24/7 CFE証書は、消費者が支払うプレミアムを発電事業者へ移転することで、新たな収益源を生み出します。証書の「キャプチャープライス」は、発電事業者が証書販売から得る平均収益を示し、特に柔軟性の高い資源に有利に働くとされています。

この仕組みは既存のREGO市場に代替する可能性があるものの、価格の構造は異なります。時間一致型証書では、風力や太陽光のような変動電源が受け取る価値は相対的に小さくなり、蓄電池や柔軟性電源の価値が高まる傾向が示されています。

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蓄電池への影響

蓄電池は現行のREGO制度では十分な収益を得られていない一方で、時間単位証書の導入により大きな利益機会を得る可能性があります。蓄電事業者は、証書価格が低い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで収益を確保できます。

分析では、証書収益が蓄電池収益の大きな割合を占める可能性が示されており、一定の前提条件のもとでは電池収益の約半分を証書が構成するケースも示されています。

ただし、証書価格の変動性が高いため、この収益は予測が難しく、投資判断における不確実性要因ともなります。

需要側への影響とDSR

証書価格は電力価格よりも急峻な価格持続曲線を持ち、ほとんどの時間帯では低価格またはゼロである一方、供給不足時には急激に上昇します。この特性により、需要家には柔軟な電力使用行動を促す強いインセンティブが生まれます。

例えば、価格に応じて需要を抑制する行動や、電力消費の時間帯を調整するロードシフトが想定されます。また、電解装置によるグリーン水素の製造など、低価格時間帯を活用する需要も促進される可能性があります。

このような需要側の柔軟性は、時間一致を達成しやすくし、証書市場の効率性を高める役割を果たします。

電源別の収益構造

証書価格の分配は電源ごとに異なります。変動電源である風力や太陽光は証書価格の一部を獲得するにとどまる一方、原子力やバイオマスなどのベースロード電源は平均的な価格水準を確保する傾向があります。

また、電力市場の前提が維持される場合、再エネ発電事業者は他の発電事業者と同様の証書単価を得るものの、発電タイミングに応じて収益が変動します。証書制度は、発電スケジュールの最適化を促す可能性も指摘されています。

不確実性と投資リスク

一方で、証書価格の変動性と予測困難性は投資に対するリスク要因となります。証書価格は天候や需要条件に大きく依存し、収益の安定性が低い可能性があります。

そのため、証書による収益は投資判断において割引される可能性があり、単独で投資を成立させる決定要因とはなりにくいとされています。特に変動電源にとっては、証書収益の不確実性が高いことが課題となります。

最終的に、24/7 CFE証書は投資インセンティブを強化する要素となり得るものの、他の市場制度や支援策と組み合わせることが重要であり、単独では十分な投資誘因とはならない可能性が示されています。

英国NESOのGC-EAC取引実証報告書

解説者:株式会社電力シェアリング・一般社団法人アワリーマッチング推進協議会