欧州委員会、ウクライナへ火力発電プラントを移設。リトアニアから

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欧州委員会は、ロシアによるエネルギーインフラへの継続的な攻撃を受け、深刻な電力不足に陥っているウクライナに対し、リトアニアから火力発電プラント一式を移設したと発表しました。

この前例のない作戦により、約100万人分の電力を賄うエネルギー供給能力が回復し、ウクライナの国家送電網が大幅に強化される見通しです。

過去最大規模の輸送作戦

今回の火力発電プラントの移設は、欧州連合(EU)の共同ロジスティクス作戦として過去最大規模となりました。11ヶ月間にわたり、総計2,399トンにおよぶ設備が149回に分けて輸送されました。この中には、1基あたり約172トンの重量がある大型の変圧器やステーター(固定子)など、40個の特殊大型貨物が含まれています。

この大規模な輸送には、ポーランド戦略備蓄庁(RARS)の全面的な協力があり、インフラが激しく損傷している地域での緊急修理と電力復旧において極めて重要な役割を果たしています。

非常用発電機447台の追加配布

主要な発電プラントの移設に加え、欧州委員会は病院や避難所などの重要施設を守るため、370万ユーロ(約430万ドル)相当の非常用発電機447台を新たに配布することを1月23日に決定しました。現在、キーウをはじめとする主要都市では、氷点下20度に達する寒波の中で100万人以上が停電の影響を受けており、人道支援の緊急性が高まっています。

また、フランスのバロ外相も同日、G7や北欧・バルト諸国との会合を通じて支援の調整を行い、独自のインフラ代替策として13メガワット相当の電力供給および約100台の発電機の供与を表明しました。

EUによる包括的なエネルギー支援の進捗

2022年2月以来、EU市民保護メカニズム(UCPM)を通じたウクライナのエネルギーセクターへの支援は、推定900万人のニーズに応えてきました。これまでに9,500台の発電機と7,200台の変圧器が届けられています。

欧州委員会はウクライナの人道的支援プログラムに対し、累計で12億ユーロ以上の予算を割り当てており、提供された支援物資は16万トンを超えています。EU全27加盟国およびノルウェーやトルコなどの参加国が連携し、電力インフラの再建と冬を越すための生存基盤の確保を継続しています。