東京電力、海外・国内で新規ビジネス展開を図る。第5次総合特別事業計画を発表

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東京電力ホールディングスと原子力損害賠償・廃炉等支援機構は26日、新たな再建計画である第5次総合特別事業計画(五次総特)を公表しました 。今回の計画では、収益性の一層の向上に向け、発電・送配電・小売の各セグメントで、積極的な新規事業領域の拡大を打ち出しています。

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アライアンスの推進

最大の柱となるのは、自社の枠組みにこだわらない外部パートナーとの広範なアライアンスの追求です 。東電は現在、物価高騰や人件費の急騰によりキャッシュフローが悪化しており、中長期的な成長に必要な投資資金を自社単独で確保することが困難な状況にあります 。

この課題を解決するため、期限を区切ってパートナー候補から広く提案を募集し、資金、技術、能力を補完していく方針です 。共同事業体の設立に際しては、出資比率に柔軟性を持たせることで外部資本を呼び込み、企業価値の向上と福島責任の貫徹を両立させることを目指します 。

送配電事業の欧州・新興国への事業展開

関東地方を中心とする東京電力の管内にとどまらず、域外での新規事業への展開を図ります。送配電分野においては、エンジニアリング力や調達力、物流網を有する事業者や、東電管外で事業機会を有するゼネコン、デベロッパー等との連携を強化し、管外への事業展開を目指すこととしています。

欧州への事業展開を狙います。具体的には、欧州の洋上風力送電線や国際連系線開発事業などが考えられます 。また、新興国での送配電事業への参画の可能性も含め、グローバルな市場での収益確保を狙います 。

再生可能エネルギーとデジタル需要の獲得

発電分野では、脱炭素社会の実現に向けた多角的な投資を狙います。

太陽光発電については、コーポレートPPAを含む多彩なメニュー提供を通じて脱炭素電源の確保を進めます 。

洋上風力発電については、将来の浮体式洋上風力市場への参画を念頭に、他事業者も交えた事業体制の構築を検討します 。

地熱発電については、地下の熱のみを回収する新技術の導入を検討し、中長期的な地熱開発地点の拡大に向けて取り組みます 。

また、急増するデータセンター需要を確実に取り込むため、DC事業者に特化したトータルソリューションの展開も視野に入ります。早期の電力供給や脱炭素電源の確保、価格安定化といったニーズに応えることで、2040年度までに首都圏のDC需要伸び率で世界トップクラスを実現することを目指します 。

小売、トレーディング、新規サービスへの進出

小売および電力取引の分野では、新たな収益源の創出を目指します 。

需給運用、トレーディング事業については、新電力向けの需給運用代行サービスやバランシンググループの形成、金融的手法による価格ヘッジの活用などを図ります 。中長期的には、市場取引の知見を高度化し、事業としての収益機会を追求します 。

系統用蓄電池事業については、様々な事業者との協業や資産回転型のビジネスモデルを確立し、調整力の確保に貢献しつつ、経済性を確保した継続的な案件開発を目指します 。

今回の五次総特は、東電が厳しい財務状況を正面から受け止め、アライアンスを通じた大胆な改革によって、社会課題の解決を担うリーディングカンパニーへと変貌を遂げる決意を示したものとなっています 。