中部電力ミライズ、星星電力と蓄電池による電力受給契約を締結 夕方のピーク電力を固定価格で供給

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星星電力日本と中部電力ミライズ(敬称略)は27日、系統用蓄電池を活用し、電力需要が急増するピーク時間帯における電力受給契約を発表しました。

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今回の提携は、台湾の大手再エネ事業者である泓徳能源(HD Renewable Energy)グループの日本法人と、国内大手小売電気事業者が連携し、蓄電池を「価格変動リスクのヘッジ手段」として活用する国内初の先駆的な事例となります。

【プレスリリースの概要】

系統用蓄電池を活用した電力価格高騰への対策

本契約に基づき、星星電力日本は、泓徳能源グループが国内で保有・運営する系統用蓄電池(BESS)を活用し、16時から20時のピーク時間帯において中部電力ミライズへ電力を提供します。太陽光発電の出力が低下する夕方の時間帯は、電力需給が逼迫し卸電力市場の価格が高騰するリスクがあります。

中部電力ミライズはこの契約により、ピーク時間帯の電力をあらかじめ決められた固定価格で安定的に調達することが可能となり、市場価格の乱高下に左右されないリスクマネジメントを強化します。

中部エリア5箇所で2026年4月より運転開始

活用される系統用蓄電池は、愛知県豊橋市、静岡県森町、三重県伊賀市、岐阜県各務原市、岐阜県垂井町の計5箇所に設置されます。合計出力は約1万kW合計容量は約4.1万kWhのリチウムイオン電池方式を採用しており、2026年4月以降に運転を開始する予定です。

年間取引電力量は約909万kWhを見込んでいます。泓徳能源グループにとって、日本国内で電力のヘッジ取引向けに系統用蓄電池を活用するのは今回が初の事例であり、蓄電池を単なる需給調整だけでなく「金融的なリスクヘッジツール」として位置づけている点が特徴です。

将来的に30万kW規模への拡大を検討

両社は今回の契約を皮切りに、系統用蓄電池を活用した取引規模を現在の30倍にあたる合計30万kW程度まで拡大することを検討しています。これは、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の不安定化を解消し、安定供給と脱炭素化を両立させるための重要なステップとなります。

【当研究所追記】

これは、蓄電池により電力をタイムシフトすることで、値差による収益を上げるモデルです。昼間に充電される電力が再エネであれば、その環境価値を夜間に放出するとこで、時間帯別再エネ証書(GC-EAC)の取引収益が狙えます。例えば系統排出係数が昼間0.3で夜間0.5だとすれば、0.2=0.5-0.3に放電量を乗じた値がCO2排出回避追加量として計算されます。