世界のオフグリッド再エネ、10年で約3倍に。太陽光が牽引し16GWを突破

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国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2025年12月、過去10年間(2015年〜2024年)をカバーした最新の統計レポート「Off-grid Renewable Energy Statistics 2025」を公表しました。

本レポートによれば、電力網に接続されていない「オフグリッド」環境での再生可能エネルギー利用は、世界的に急速な拡大を続けており、特に途上国の電化や生活の質の向上に決定的な役割を果たしています。

世界のオフグリッド再エネ容量、10年で約3倍に

世界のオフグリッド再生可能エネルギーの総発電容量は、2024年末時点で約16.2GW(ギガワット)に達し、2015年時点の約5.8GWと比較すると、この10年間で約2.8倍に拡大したことになります。

電源別:太陽光が圧倒的成長、バイオマスも着実

電源別の推移を見ると、太陽光発電の成長が著しく、オフグリッド太陽光の容量は2015年の約1.5GWから、2024年には約6.4GWへと4倍以上に急増しました。特に安価なソーラーホームシステムやソーラーライトの普及が、未電化地域の生活を劇的に変えています。

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一方で、バイオエネルギー(バイオマス・バイオガス)も着実な伸びを見せています。2024年のバイオエネルギー容量は約5.2GWに達しており、2015年の約3.1GWから約67パーセント増加しました。

これらは主に農村部での産業用電力や、クリーンな調理用エネルギーとして活用されています。

また、オフグリッド水力発電は約4.4GWを維持しており、山岳地帯のマイクログリッドにおいて安定した基礎電源としての役割を果たし続けています。

地域別:アジアとアフリカが世界の8割以上を占める

地域別の動向では、アジアとアフリカが世界のオフグリッド再エネ市場を二分しています。

  • アジア地域:世界最大の市場であり、2024年時点で約7.8GW(世界シェア約48パーセント)を占めています。特にインドや中国の農村部、東南アジアの島嶼部での導入が目立ちます。バングラデシュでは、累計600万台以上のソーラーホームシステムが設置されるなど、世界最大のオフグリッド普及国の一つとなっています。
  • アフリカ地域:最も高い成長率を記録しており、2024年の容量は約5.4GWに達しました。2015年の約2.2GWから約2.5倍に拡大しています。特にケニアやエチオピア、ナイジェリアでは、モバイル決済と組み合わせた「Pay-as-you-go(使った分だけ支払い)」方式の普及により、低所得層でも太陽光パネルを導入できる仕組みが整ったことが、数値の押し上げに大きく寄与しました。

社会へのインパクト:5億人以上の生活を支える

2024年時点で、オフグリッド再生可能エネルギーによって照明や電力供給を受けている人々は、世界で約5億2,000万人に達すると推計されています。これは、2015年時点の推計(約2億1,000万人)から2.5倍近くの増加です。

また、バイオガスの普及により、世界で約1億4,000万人が煙の出ないクリーンな調理環境を手にしています。これにより、伝統的な薪の使用による室内空気汚染が改善され、特に女性や子供の健康被害が大幅に減少するという、副次的な社会効果も具体的なデータとして示されています。

2026年以降、オフグリッド再エネは単なる「電力網の代替」ではなく、農業用ポンプの動力や農産物の冷蔵保存など、地域の産業を支える「経済発展のエンジン」としての役割をさらに強めていくと予測されています。