ロールス・ロイスSMR、米アメンタム社と提携。英・チェコで小型モジュール炉建設

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イギリスのロールス・ロイスSMR社は、次世代の小型モジュール炉(SMR)を確実に市場へ投入するため、米エンジニアリング大手アメンタム(Amentum)社を「プログラム・デリバリー・パートナー」に選定したと発表しました。

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今回の提携により、世界最高水準のSMR設計技術と、複雑な大型プロジェクトを完遂させる管理能力が統合されることになります。

【プレスリリースの概要】

両社は協力契約を締結し、アメンタム社は以下の役割を担います。

  1. 統合管理体制の構築:プロジェクト全体の監督と統合的な管理。
  2. 建設管理:現場での施工管理およびサプライチェーンの調整。
  3. リスク管理:原子力プロジェクトに特有の複雑な課題を制御し、工期遵守を徹底。

まずは、イギリス国内のプロジェクト、およびチェコ共和国における初号機の導入に注力します。

「期限通りの完成」が最大の目標

原子力発電の歴史において、建設の遅延やコスト超過は大きな課題となってきました。ロールス・ロイスSMRのクリス・エリスCEOは、アメンタム社が持つ「原子力分野での深い経験とプロジェクト完遂能力」を高く評価しています。

両社は、SMRのメリットである「工場生産による効率化」を最大限に引き出し、「予算内かつ期限内(On time, On budget)」での電力供給開始を目指します。

SMR(小型モジュール炉)とは

SMRは、従来の大型原発(出力100万kW級〜)に比べ、出力を数万〜30万kW程度に抑えた次世代の原子炉です。主な特徴は以下の通りです。

1. 工場生産とモジュール化:

主要な機器を工場で製造・組み立ててから現場へ運び込むため、品質が安定し、建設期間を大幅に短縮できます。

2. 高い安全性:

出力が小さいため、事故時に電気や人の操作がなくても自然に冷却される「受動的安全系」を採用しやすく、安全性が向上しています。

3. 柔軟な設置環境:

大型原発よりも省スペースで設置可能なため、送電網が未整備の地域や、既存の石炭火力発電所の代替としての活用が期待されています。