北海の洋上風力発電、NATOの支援を得て破壊工作に対するセキュリティ強化へ

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ブルームバーグの報道によれば、英独蘭など9カ国のエネルギー担当相が来週会合し、2050年までに北海の洋上風力容量を100GWへ拡大する宣言に署名する見通しです。

報道によれば、草案では、破壊工作への懸念からインフラ警備の強化や、NATOと連携したデータ共有の推進が明記されているとのことです。

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背景

背景には、近年の安全保障環境の急激な変化があります。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州ではエネルギーの脱ロシア依存が急務となり、2022年の「オスロ宣言」や2023年の「オステンド宣言」を通じて、北海諸国は洋上風力の拡大目標を段階的に引き上げてきました。

しかし、同時に重要インフラの脆弱性も浮き彫りになっています。

2022年のガスパイプライン「ノルドストリーム」爆破事件や、北海周辺での不審な船舶による活動報告を受け、洋上風力発電所がサボタージュ(破壊工作)の標的になるリスクが現実味を帯びてきました。

そのため、今回の宣言では「悪意ある主体」による行動からインフラを保護するため、北大西洋条約機構(NATO)や欧州委員会も連携する体制が整えられています。

巨大なエネルギー供給源としての期待と、それを守り抜くための安全保障。北海は今、経済と安保の両面で欧州の最前線となっています。来週の正式な合意内容が、今後の世界の再エネ戦略にどのような指針を示すのか、大きな注目が集まっています。

日本におけるセキュリティ確保

エネルギーの安定供給と国家安全保障を一体として捉える議論は、今や世界共通の潮流と言えます。日本においても、こうしたリスクへの対応は喫緊の課題となっています。

セキュリティ一般では、経済安全保障推進法に基づき、電気事業は「基幹インフラ」として厳格な審査対象となっており、サプライチェーンから有害なプログラムや不正な機器を排除する取り組みが進んでいます。