JTB、2035年長期ビジョンを発表、サステナビリティと地域共創を中核に

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JTBは15日、2035年を見据えた長期ビジョン「JTBグループ 2035年ビジョン」を発表しました。同社はツーリズムを通じた交流価値の創出を軸に、サステナビリティと地域事業を経営の中核に据え、社会価値と事業価値の両立を目指す姿勢を明確にしています。

ビジョンでは、経営理念の実現に向けた重要課題として、「心豊かなくらし」「人々をとりまく環境」「パートナーシップ」の3つのマテリアリティを設定しました。これらを具体化するため、8つのサブ・マテリアリティを定め、交流によって生じるプラスのインパクトを最大化し、環境負荷や社会的リスクといったマイナスのインパクトを最小化する施策を展開するとしています。

サステナビリティ

サステナビリティ分野では、2025年6月に策定した「サステナブル取引方針」を基盤に、2035年までにサステナビリティに取り組む事業パートナーとの取引比率を63%まで高める目標を掲げました。調達や取引の段階から持続可能性を重視する姿勢を明確にし、サプライチェーン全体での価値向上を図ります。

また、利用者がサステナビリティを意識した商品やサービスを選択しやすくするため、Webサイトなどのアクセシビリティ強化にも取り組む方針です。情報提供の在り方を見直すことで、消費行動を通じた持続可能な社会づくりへの参画を促します。

地域事業

地域事業に関しては、ツーリズム産業の基盤である地域コミュニティの持続可能性を重視し、2026年4月に「JTBソーシャル・コミットメント・プログラム みらい交流創造基金」を設立すると発表しました。同基金は、CSR活動を一段と強化する取り組みの一環として、地域コミュニティの保全や保護に関する活動を継続的に支援することを目的としています。

支援対象としては、歴史的建造物や祭事などの有形・無形文化財の保護・活用、自然環境の再生・保全、さらにはオーバーツーリズム対策などが想定されています。観光による経済効果だけでなく、地域が本来持つ価値を守り育てる活動を後押しすることで、交流の持続可能性を高める狙いがあります。

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JTBは基金を通じて、多様な交流機会の創出と地域社会の持続的な発展に貢献し、ツーリズムを起点とした社会課題解決型ビジネスを強化するとしています。

サステナビリティを成長戦略の中心に据えた今回のビジョンは、観光産業が直面する環境・社会課題への対応と、地域共創型モデルへの転換を象徴するものといえそうです。