FTSE Russell、2026年のサステナブル投資展望を発表:経済構造変化への適応が鍵

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英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)傘下の指数算出大手FTSE Russellは2026年1月12日、年次報告書「2026 Sustainable Investment Trends」を公表しました。本報告書は、地政学的リスクや経済成長の鈍化に直面する中で、サステナビリティが単なる理念から「経済構造そのものの変化」へと移行したと分析。2026年は投資家にとって、その実行力と収益性を精査する重要な転換点になると予測しています。

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以下、その内容を概括します。詳細は、是非ダウンロード版をご参照ください。

物理的気候リスクの顕在化とエネルギー・トランジション(移行)の継続

2026年は、気候変動に伴う物理的リスクが経済、家計、生活基盤に対してかつてないコスト増をもたらすと指摘されています。投資家や企業、政府の関心は、これまでの「緩和(排出削減)」に加え、「適応とレジリエンス(強靭性)」へと急速にシフトする見通しです。

一方で、グローバルなエネルギー移行は依然として力強い成長を維持すると分析されています。米国や中国における補助金制度の変更といった地政学的な逆風はあるものの、電力需要の増大、再生可能エネルギー(特に太陽光)の低コスト化、および実装スピードの速さが成長を牽引。加えて、原子力、送電網インフラ、蓄電ソリューション、エネルギー効率化への投資関心が一段と高まることが予想されます。

AIとデータセンターの拡大に伴う「成果」への注力

人工知能(AI)の普及と、それに伴うデータセンター建設のラッシュは、2026年に新たな段階へ移行します。これまでは投資加速の局面でしたが、本年からはAIが実際にコスト削減、生産性向上、および排出量削減に対してどの程度の「成果」をもたらすかを問われる「実証(Show-me)」期間に入るとされています。

また、AIインフラの維持に不可欠な電力確保が極めて重要な課題として浮上します。サイバーセキュリティ、ガバナンス、テクノロジー銘柄への市場の過度な集中といったリスク要因を注視しつつ、効率性の向上がどのようにマクロ経済に寄与するかを評価する視点が投資家には求められます。

アジア市場の台頭と医療・食料セクターの構造変化

2026年のサステナブル投資において、アジア、特に中国とインドが中心的な役割を果たします。中国は排出量削減公約の履行とクリーンエネルギー市場での支配的地位が焦点となり、インドは気候政策の方向性を左右する「スイング・ファクター」として重要性が増します。

気候変動以外の分野では、ヘルスケアと食料生産セクターに注目が集まっています。これらのセクターは人口動態の変化という強力な長期的ドライバーを持ちながら、近年はコスト圧力や規制の強化により投資パフォーマンスが低迷していました。しかし、基盤となる革新的な技術導入が進んでおり、地政学的にも不可欠なセクターとして、サステナブル投資の新たな焦点となることが示唆されています。

出典

2026 Sustainable Investment Trends - LSEG

https://www.lseg.com/en/ftse-russell/research/2026-sustainable-investment-trends