AIが塗り替える米国経済:データセンター建設投資がオフィスビル投資に並ぶ

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米国の建設市場の中心であったオフィスビルが、その座をデータセンターに譲り渡そうとしています。最新の政府統計および市場データにより、AI(人工知能)インフラが米国の非居住用建設投資を支配する実態が浮き彫りになりました。

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1. 過去最高の420億ドルを記録

米国商務省国勢調査局の最新レポート(2025年10月分)によると、データセンターに関連する建設支出は、季節調整済み年率換算で420億ドル(約6兆3000億円)となりました。これは、前年同月比で18.5パーセント増という驚異的な成長です。

また、同期間のオフィスビル建設支出(450億ドル)まであとわずか30億ドルに迫る規模です。数年前までオフィス投資の数分の一に過ぎなかったデータセンターが、今や米国の民間建設投資において最も重要なカテゴリーの一つとなっています。

2. ChatGPT登場からの3年間で3倍増

この急成長の起点は、2022年11月のChatGPTリリースにあります。当時約140億ドル程度だったデータセンター建設支出は、生成AIの爆発的な普及とともに右肩上がりを続け、わずか3年間で3倍(300パーセント増)に跳ね上がりました。

一方で、リモートワークの定着と空室率の上昇により、オフィスビル建設は同期間に40パーセント減少しました。

3. AIインフラが牽引するメガプロジェクトの時代

この投資を主導しているのは、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタといったハイパースケーラーと呼ばれる巨大テック企業です。2025年10月には、ルイジアナ州でのメタ(旧フェイスブック)による75億ドルの超巨大データセンター計画が着工するなど、1件あたり数千億円規模のメガプロジェクトが全米各地で相次いでいます。

結論:経済構造の不可逆なシフト

2026年中にデータセンター建設支出はオフィスビルを完全に上回ることが予測されています。データセンター建設がオフィスビルを上回ることは、米国経済の付加価値の源泉が「人間が働く物理的なオフィス」から「AIが演算を行うデジタルインフラ」へと、サプライチェーンの上流から移行していることを表しています。