米国、太陽光と蓄電池導入が拡大。アワリーマッチング率向上と需要家排出係数低減を実現

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Ember は2026年1月、米国で太陽光発電と蓄電池の導入が同時に進展し、電力システムの構造が変化しつつあることを示すレポートを公開しました。

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同レポートによれば、太陽光発電の導入量は各地で大きく増加している一方で、最も日射量の多い正午前後の時間帯における発電量の伸びは限定的にとどまっています。これは、太陽光の追加導入が昼間の発電量を単純に押し上げる形ではなく、蓄電池と組み合わさることで、発電した電力が夕方や夜間へとシフトして供給されていることを示しています。

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より抜粋

蓄電池の導入拡大により、昼間に発電された太陽光由来の電力が、需要の高い夕方や夜間に放電されるケースが増えています。この結果、再生可能エネルギーの供給は、時間的により均等な形へと近づきつつあります。Emberは、こうした動きが再生可能エネルギーの「導入量」だけでなく、電力系統への統合(インテグレーション)の進展を示すものだと指摘しています。

GHGプロトコル マーケット基準への影響

この時間的な供給シフトは、需要と供給を時間単位で一致させる、いわゆる再生可能エネルギーのアワリーマッチングの普及を後押しする要因ともなります。蓄電池を介して再エネ電力を必要な時間帯に供給できるようになることで、再エネ電力と需要の時間的不一致が縮小していくためです。

GHGプロトコル ロケーション基準への影響

また、こうした変化は、ロケーション基準で算定される時間帯別のグリッド排出係数にも影響を与えると考えられます。従来、夜間は化石燃料由来電源の比率が高く、排出係数が上昇しやすい時間帯とされてきましたが、太陽光と蓄電池の組み合わせにより、夜間においても低炭素電源の供給割合が高まることで、時間帯別の排出係数が緩和される可能性があります。

その結果、ロケーション基準に基づく需要家の排出係数は低下し、需要家の電力使用に伴う排出量削減につながることが期待されます。さらに、蓄電池と組み合わせた再エネ電力の供給は、マーケット基準においても、時間整合性の高い再エネ調達を可能にし、需要家が評価される再エネ水準を引き上げる方向に作用します。

Emberのレポートは、太陽光と蓄電池の同時拡大が、再生可能エネルギーを「昼間の電源」から「一日を通じた電源」へと進化させつつあることを示しています。この動きは、ロケーション基準、マーケット基準の双方において、需要家の再生可能エネルギー活用水準を高めていく基盤となり得るものと位置付けられます。