環境省、環境表示ガイドライン見直しへ。グリーンウォッシュが論点に

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環境省は、環境表示ガイドラインの見直しについて、2026年3月にも改定案を取りまとめ、パブリックコメントを実施したうえで、改定版が公表する方向です。。

2013年に改訂された現行ガイドラインは、ISO規格との整合や、消費者に分かりやすい環境情報の提供を基本理念として整理されてきました。

しかし、その後、脱炭素や循環経済を巡る政策環境は大きく変化しました。企業活動においても環境配慮の訴求が競争力や企業評価と密接に結び付くようになり、環境表示の在り方そのものを再整理する必要性が高まっていました。

そこで、「環境表示のあり方に関する検討会」を2025年9月と12月の2回にわたり開催し、新ガイドラインの検討を進めてきました。

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検討会では、まず国内外における環境表示の動向や、現行ガイドラインの運用実態について整理が行われ、その後、環境配慮を謳う表示が、どのような場合に消費者の誤認を招きかねない以下のような問題が議論されました。

  • 環境負荷の一部が改善された事実を、製品や事業全体が環境的に優れているかのように受け取らせてしまう表示
  • 比較対象や前提条件を示さないまま削減効果を強調する表現や、算定範囲が不明確なまま「環境にやさしい」「サステナブル」といった包括的な表現を用いるケース

ガイドライン見直し内容

新ガイドラインでは、環境主張を行う際に、対象範囲、前提条件、評価方法を明確にすること、比較表現を用いる場合には比較対象や基準時点を示すこと、部分的な取組についてはその範囲を適切に限定して示すことなど、表示全般に共通する考え方が明記される見通しです。

具体的には、以下の項目が盛り込まれる見通しです。

①環境配慮表示

算定範囲が不明確な「カーボンニュートラル」「実質ゼロ」といった表現や、「100%」「完全」といった断定的な表現については、前提条件や評価方法を示さなければ、誤認を招くおそれがあること

②リサイクル表示

どの工程や部位が対象となっているのか、実際の回収・再資源化の条件がどの程度成立しているのかといった点を説明しない表示も問題視されること

③比較表現

「従来品比」「他社比」などの表現を用いる場合には、比較の前提や範囲を明示することが求められる。

まとめ

現行ガイドラインは、ISO規格との整合を重視しつつ、環境表示の基本的な考え方を示す任意の指針として位置付けられてきました。

今回の見直しでも、その法的位置付け自体が大きく変わるわけではないが、グリーンウォッシュへの社会的関心の高まりを踏まえ、企業にとっては、実務上の重要性は一層高まるとみられます。

また、景品表示法における優良誤認表示との関係でいえば、ガイドラインに沿った説明ができない表示は、結果として景品表示法上の問題に発展する可能性もあります。

今回の見直しは、こうしたリスクを未然に低減する観点から、企業が拠るべき判断軸を明確にする役割を果たすものと位置付けられます。