「米国で石炭火力発電所新設」はあるか?当社論考
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トランプ政権は、国家エネルギー戦略の一環として石炭の役割を再評価する方針を示しています。具体的には、石炭産業への一定の支援や、既存の石炭火力発電所の運転継続、早期閉鎖の回避などが議論されています。

そこからさらに進んで、石炭火力発電所の新規建設を主張する声も一部で出ているとされます。例えば、ワイオミング州では、既存石炭火力発電所への追加設備計画について、調査段階の検討に公的資金が投入されたとの報道もあります。
バージニアという「特異点」
また、バージニアでの電力需給ひっ迫に関連しての議論が出てくる可能性もあります。特にウエストバージニア州は歴史的に石炭資源や炭鉱を有する地域である一方、近年は大規模なデータセンター集積地として急速に電力需要が拡大しています。
バージニアは、米国の中で貧困者が多く住む地域として知られていて、失業と物価高の「ダブルパンチ」に見舞われる中、電気料金の高騰が政治問題化しています。
さらに、送電網を管轄するPJM では、データセンター需要の急増が電力需給を逼迫させ、容量市場や電力価格、系統信頼性に対する懸念が強まっています。
PJMにおける電力需給や市場構造を踏まえると、バージニアを含む一部地域で、石炭火力発電の新設について議論が浮上しても不思議ではない状況にあります。
低いコスト優位性
再生可能エネルギーやLNG火力、天然ガス火力と比較すると、石炭火力は建設コストや環境負荷の面で優位性が低く、経済性の観点からも現実的な選択肢とは言い難いとの見方が一般的です。
現時点では、米国で過去10年以上にわたり大規模な石炭火力発電所の新設は行われていません。石炭火力の新設には、巨額の投資と長期の開発期間、環境規制への対応が不可欠であり、短中期的に実現する可能性は限定的とみられています。
現時点での議論の中心は既存設備の延命にあり、火力発電新設議論は、米GEが得意とするガス火力発電に集中しています。
何を言い出すかわからないトランプ政権
データセンター需要の拡大により電力需給が逼迫する中では、短期間で大量の安定電源を確保する必要性が強く意識される場面も増えています。このため、再生可能エネルギー、ガス火力、LNG火力に加え、あらゆる選択肢を総動員して発電設備を確保すべきだとする議論が出てくる可能性は否定できません。
昨年末には、サンタクロースが石炭を背負っている衝撃的な写真を米DOEが掲載し、関係者を驚かせました。中間選挙を控え、バージニアたラストベルト州で、リップサービスを含め、トランプ大統領が「石炭火力発電の新設を」と言い出すことはあり得ると当社では分析しています。
何か、動きがあれば、またご報告させていただきます。
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