【TransitionZero】Google支援のもと「24/7 CFE」アジア向けオープンソースモデルを公開 日本を含む5カ国が対象

· アワリーマッチング

英国の気候・電力システム分析団体であるTransitionZeroは、Google.orgの支援を受け、アジア地域を対象とした「24/7 Carbon Free Energy(24/7 CFE)」のオープンソース電力システムモデルを公開しました。

対象地域は、日本、インド、台湾、マレーシア、シンガポールの5カ国です。今回公開されたプロジェクトでは、PyPSA(Python for Power System Analysis)をベースとした電力系統モデル、データ、解析コード、可視化結果などがGitHub上で公開されており、研究者や実務者が自由に利用・検証・改良できる構成となっています。

TransitionZeroによれば、本プロジェクトは、企業が「年間平均」ではなく、「毎時間ごと」に脱炭素電力を調達する、いわゆる24/7 CFEやアワリーマッチングの実現可能性やコスト、電力システムへの影響を分析することを目的としています。

詳しい内容については、TransitionZeroがGitHub上で公開しています。

また、TransitionZero自身もLinkedIn上で今回の取り組みについて紹介しています。

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日本については、地域間連系線制約、50Hz/60Hz周波数分断、LNG依存度の高い電源構成、大量導入された太陽光発電など、日本特有の電力システム条件を考慮したモデル構築が行われている可能性があります。

これまで日本国内では、系統解析モデルや需給シミュレーションは電力会社、大学、シンクタンク等の内部に閉じているケースも多くありました。

一方、今回の取り組みでは、コードやデータそのものがオープンソースとして公開されている点が特徴です。

そのため、

・電力会社

・小売電気事業者

・シンクタンク

・大学研究者

・データセンター事業者

・PPA開発事業者

・蓄電池事業者

・GX/Scope2関連コンサルティング企業

などが、自ら日本向け24/7 CFE分析やアワリーマッチング分析を試行できる可能性があります。

また、単なる「環境価値」の議論にとどまらず、

・時間別CO₂排出量

・蓄電池価値

・再エネ出力抑制

・地域別需給制約

・送電線混雑

・柔軟性価値

・需要シフト

などを含め、実際の電力システム運用と結びつけた議論を行える点も注目されます。

近年、GHG Protocol Scope2改訂議論や、UN 24/7 CFE Compact、EnergyTagのGC-EACなどを背景に、「時間×場所」の粒度で再エネ利用を評価する方向性が世界的に議論されています。今回のようなオープンモデルは、こうした議論を実務・システム運用レベルへ接続する試みとしても興味深い事例と言えそうです。

なお、アワリーマッチング推進協議会日本(Hourly Matching Promotion Council Japan)は、本プロジェクトおよびTransitionZeroとは一切関係がなく、本記事は公開されているオープン情報を中立的に紹介するものです。

参考:

TransitionZero公式サイト

PyPSA公式サイト

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