日本国債の「バイヤーストライク」流動性低下がもたらす金融不安リスク
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日本国債(JGB)市場で、投資家が買い控える「バイヤーストライク」が常態化しつつあるとブルームバーグが報じています。
そこで当研究所で、このバイヤーストライクについて分析してみます。
■日本国債の流動性は米国債の10分の1以下
日本国債の市場流動性を示す「1日の回転率(取引高÷発行残高)」を米国債と比較すると、日本の異常さが際立つ。
日本国債:発行残高 約1,100兆円に対し、1日の取引量は約2〜3兆円、回転率は約0.2%。
米国債:発行残高 約4,500兆円に対し、1日の取引量は約150兆円、回転率は約3.3%。
米国の10分の1以下というこの数値は、日本の国債の99.8%が動かずに、その多くが日本銀行、銀行、生命保険会社の金庫に眠っていることを意味する。市場の厚みが極端に薄いため、わずかなショックで価格形成が停止するリスクを常に孕んでいる。

■「足の遅い預金者」が支える静かなる不均衡
それでも金融システムが維持されているのは、国内の銀行や保険会社による強固な「持ち合い」と、日本特有の「預金の足の遅さ」があるからだ。
海外のような急激な取り付け騒ぎが起きないため、表面上の破綻は免れている。しかし、これは健全な需給によるものではなく、流動性不全の中での「異常な均衡」に過ぎない。
■為替に転嫁されるコスト
この異常さが、為替レートに表出している。
日銀が利上げをしても円高にならない要因の一つに、国内金利メカニズムの低下がある。
市場で適切に価格(金利)が決まらないことが通貨の魅力を削ぎ、結果として「円安」という形で国民がコストを支払っている構造がある。
■トラスショックの再来なのか?
しかし、高市政権が解散を表明し、財政支出の拡大が国外マーケットで意識され、一方で、為替は介入警戒で円安方向への歯止めがかかっている中で、長期金利の急激な上昇をもたらした。
「トラスショックと同じか、違うか」という議論が国内では活発化しているが、違う点は、日銀や国内金融機関が持ち合っている点と、預金者や保険者のリアクションが見られないこと。
しかし、国内生保・銀行は、低金利時代に購入した長期国債で多額の含み損を抱えているものと思われる。もし、長期国債の金利上昇に歯止めがかからない状況になった場合、どこかで含み損を会計処理せざるを得ない状況に追い込まれる。
また、高金利の定期預金メニューや、利回りの良い保険商品が世に出て、預金者や保険者がそちらにスイッチし始めると、ALMのバランスが崩れて、信用不安につながるリスクがある。
従って、政府からの財政安定化へのメッセージの発信などで、長期金利のさらなる上昇を抑止していく不断の努力が求められている。
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