米国・欧州天然ガス価格急騰。米国寒波で供給寸断。日本への影響も

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米国天然ガス先物相場は26日、前日比17パーセント超と大幅に続伸しました。価格は100万BTU(英国熱量単位)あたり6ドルを突破し、2022年12月以来の高水準を記録しています。この急騰の背景には、全米を襲っている歴史的な冬の嵐があり、供給網の混乱と暖房需要の劇的な増加が同時に発生しています。

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供給不足と需要拡大が同時進行

記録的な悪天候により、米国の天然ガス生産量の約10パーセントが停止に追い込まれました。その一方で、家庭用暖房や発電向けの消費量は急増しています。あまりの厳寒に、電力需要は冬の記録的な水準に達すると予測されており、米国の電力網オペレーターは各発電事業者に対し、週を通じて十分な天然ガスを確保するよう要請しています。

輸出への影響と異例の価格上昇幅

国内需要の逼迫と供給の停滞を受け、米国の液化天然ガス(LNG)輸出施設へのガス流量は、ここ1年で最低の水準にまで落ち込んでいます。

月曜日の大幅続伸は先週からの劇的な上昇トレンドを引き継いだもので、天然ガス価格はこの1週間で約70パーセントも跳ね上がりました。週間ベースでの上昇幅としては過去30年以上で最大となり、極めて異例の相場展開となっています。

欧州天然ガス先物、2025年3月以来の高値に上昇

一方、欧州の天然ガス先物価格も6パーセント上昇し、1メガワット時あたり42.4ユーロに達しました。これは2025年3月以来の高値です。米国での歴史的な冬の嵐によって輸出用LNG(液化天然ガス)施設の稼働が低下し、供給懸念が強まったことが主な要因です。

欧州の米国産LNGへの依存度と供給リスク

欧州はウクライナ侵攻後にロシア産パイプラインガスを失って以降、LNGへの依存度を大幅に高めており、現在はガス需要の約半分をLNGが賄っています。特に欧州連合(EU)におけるガスおよびLNG輸入全体に占める米国産の割合は、2021年の6パーセントから、2025年には27パーセントにまで急増しました。

この依存度の高まりにより、今回の米国国内での嵐による生産停止や輸出能力の制限が、欧州のエネルギー供給に直接的な打撃を与えています。ちょうど欧州各地で厳しい寒の戻りが予想されているタイミングでの供給停滞は、市場の不安をより一層増大させています。

急速に減少する在庫水準と今後の見通し

現在、欧州では例年以上の寒波が2月初旬まで続くと予測されており、暖房需要が急増しています。これに伴い、ガスの在庫も急速に減少しています。

EU全体の在庫率は45.6パーセントまで低下しており、前年同期の56.5パーセントと比較して大幅に低い水準にあります。国別の在庫率を見ると、ドイツが37.5パーセント、フランスが36.4パーセント、オランダが31.1パーセントと、主要国で特に低い水準が目立っています。