中国の2025年発電量、約10兆kWhに。再エネ構成比も高まる。日米と比べると?

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中国国家統計局および国家エネルギー局は20日、2025年通年の主要エネルギー統計を発表しました。年間総発電量は、前年比2.2%増の9兆7,159億kWhに達しました。

火力発電の10年ぶり減少と原子力の安定成長

電源別には、主力の火力発電が前年比1.0%減の6兆2,946億kWhとなり、2015年以来10年ぶりに前年実績を下回りました。

一方で、原子力発電は前年比約3.5%増の4,680億kWhと着実に成長し、全発電量の約5%を維持しています。中国は現在、20基以上の原子力発電所を建設中であり、低炭素なベースロード電源として原子力を明確に位置づけています。

再エネ構成比率の増大

太陽光発電量は前年比27%増と大幅に伸長し、風力と合わせたシェアは全発電量の約25%に達しています。水力を含めた再生可能エネルギー全体の比率は36%を超え、エネルギーシステム全体の脱炭素化が進んでいます。

電源構成比率を日米と比べると?

このデータを、日本(2024年度)、米国(2025年)と比較してみます。

再エネ電源の構成比率は、発電電力量ベースでは、中国は約36%で、日本の約26%、米国の約22%を大幅に上回っています。

一方、原子力発電は、米国が約19%と最も高く、日本は約8%、中国は約5%となっています。

また、火力発電は、日本が約65%と最も高く、中国が約58%、米国が約57%となっています。

このうち、石炭火力発電は、中国が約55%と最も高く、日本が28%、米国が17%となっています。

日本は、排出係数が低いLNG火力の比率が高く、石炭火力も超超臨界が主流で効率が高いため、再エネ・原子力も含めた全体の排出係数でみれば、日本も遜色ない水準であると当研究所は分析しています。

従って、中国にとっては、石炭火力の構成比率をどう減らしていくかが課題となっています。

総発電量は?

総発電量と設備容量の規模でみると、中国は日本の10倍以上、米国の2倍以上となっています。

中国:総発電量 9兆7,159億kWh / 設備容量 約32.5億kW

米国:総発電量 約4兆3,200億kWh / 設備容量 約13.2億kW

日本:総発電量 約9,580億kWh / 設備容量 約2.8億kW

なお、中国の設備容量(kW)における再エネ比率は既に60%を超えています。

太陽光や風力は設備利用率が低いため、発電量(kWh)ベースでは36%に留まりますが、容量ベースでは圧倒的な規模を誇ります。

対照的に米国や日本は、天然ガスや原子力といった設備利用率の高い電源を組み合わせることで、設備容量を抑えつつ安定した電力量を確保する構造となっています。

今後、世界的に、データセンターによる電力需要が増嵩が見込まれる中で、新規電源、流通網・調整力の増強が必要となってきます。

日米中の三か国を比較した場合、中国経済は現在デフレ基調であり、公式統計値でも現在の増加率は高くないことに加えて、国土が広く、市場に委ねているわけではないので、その対応力が最も高いと考えられます。

日本としては、国際競争力確保の視点からも、今後スピード感をもった電力システムの再構築が求められていると言えるでしょう。

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