第113回調達価格等算定委員会での議論②廃棄等積立金についての議論

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経済産業省は20日、第113回調達価格等算定委員会を開催し、2026年度以降の再生可能エネルギー支援制度について幅広い論点を整理しました。前回の記事に続き、再生可能エネルギー設備の解体・廃棄費用の積立、いわゆる廃棄等積立金についての議論を解説します。

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議論の背景

再生可能エネルギーの大量導入が進む中で、発電終了後の適切な解体・廃棄を確実に行うことは、国民負担の抑制だけでなく、再生可能エネルギー政策全体への信頼を維持するうえでも重要な論点となっています。

屋根設置型事業用太陽光

事務局提案

事業用太陽光発電のうち屋根設置型について、事務局からは、2027年度に認定される屋根設置型事業用太陽光発電については、2026年度と同様の解体等積立基準額および算定方法を維持するとの提案が示されました。

具体的には、10kW以上の屋根設置型太陽光発電について、廃棄等積立費用の想定額を1kWあたり1万円とし、調達価格の算定において想定された廃棄費用を、交付期間終了前の10年間、すなわち運転開始11年目から20年目にかけて分割して積み立てる方式を継続する考え方です。屋根設置型は地域との調和が図られやすく、小規模分散型の導入が中心であることから、従来の制度設計を維持することが適当とされました。

委員の発言

委員からは、過去に太陽光発電で廃棄費用の積立が十分に行われていなかった事例があったことを踏まえ、制度として積立を定めるだけでなく、実際に積立が適切に行われているかを確認していくことの重要性が指摘されました。

また、積立金はあくまで通常要する費用を想定したものであり、仮に不足が生じた場合であっても、追加的な費用負担を行い、適切に解体・廃棄する責任は事業者にあるという原則を改めて確認すべきとの意見が示されました。

結論

現行水準および算定方法を維持しつつ、積立の実効性確保を引き続き重視していくことで、委員の認識は一致しました。

地上設置型を含むその他太陽光

事務局提案

地上設置型を含むその他の太陽光発電について、事務局からは、2027年度以降、地上設置型事業用太陽光発電をFIT・FIP制度の支援対象から外す方向性が示されていることを踏まえ、解体等積立基準額についても即断せず、支援制度全体の整理とあわせて、来年度以降の委員会で改めて検討するとの提案がなされました。

委員の発言

委員からは、地上設置型太陽光を支援対象から外した場合に、太陽光発電の導入動向がどのように変化するのかを丁寧に見極める必要があるとの意見が出されました。

廃棄費用の取り扱いについても、単独で判断するのではなく、支援制度全体の設計と一体で検討すべきとの認識が共有されました。

結論

地上設置型を含むその他太陽光発電の解体等積立基準額については、今回の委員会では結論を出さず、今後の検討課題として整理されました。

陸上風力発電

事務局提案

再生可能エネルギーの大量導入が進展する中で、事務局からは、風力発電設備についても廃棄等積立制度の対象として明確に位置付ける必要があるとの考え方が示されました。

事業者への調査の結果、陸上風力発電設備の廃棄等費用の中央値は1kWあたり1万9500円であることが示されました。

この水準は、これまで用いられてきた資本費の5%という想定よりも実態に即しているとされ、2026年度以降に新たに認定される陸上風力発電については、この金額を廃棄等費用の想定値として採用し、実務上は端数整理により2万円とすることが提案されました。

積立方法については、太陽光発電と同様に、運転開始11年目から20年目までの10年間で分割して積み立てる方式とし、残存期間が10年未満となっている案件については、その残存期間に応じて必要な廃棄等費用を確実に積み立てられるよう、単価を調整する考え方が示されました。

委員の発言

インフレが進行した場合に、1万9500円という水準で将来的に十分な廃棄費用を確保できるのかという懸念が示されました。

一方で、事務局が今後も実態を踏まえて随時見直す方針を示している点については一定の理解が示されました。

また、陸上風力はすでに多数の設備が導入されていることから、積立が実際に行われているかどうかを継続的に確認する必要があるとの指摘もありました。

結論

陸上風力発電の解体等積立基準額は1kWあたり1万9500円を基本とし、今後のコスト動向やインフレの影響を見ながら見直していくことをとなりました。

洋上風力発電

事務局提案

洋上風力発電については、着床式および浮体式洋上風力発電については、国内における廃棄実績がほとんど存在しないことが前提条件として共有されました。

そのうえで、当面は従来の算定方法を維持し、建設費、すなわち工事費の一定割合を廃棄等費用として想定する考え方を継続するとの提案が示されました。現時点では精緻な算定を行うことが難しいため、まずは実態把握を優先するという整理です。

委員発言発言

委員からは、特に浮体式洋上風力について、この水準で十分な廃棄費用を確保できるのかという疑問が示されました。ただし、現段階では実績が乏しいことから、拙速な見直しよりもデータの蓄積を重視すべきとの認識で一致しました。

結論

このため、洋上風力発電については当面現行手法を維持し、実績の蓄積を踏まえたうえで、2028年度以降に支援制度や価格設計と一体で算定方法を検討していくこととなりました。